タカラジェンヌの「姿」は、誰のものなのか──退団後に使えなくなる理由を考える

宝塚歌劇では、さまざまなコンテンツが日々発信されていますね。

キャトルレーヴに溢れる商品もそう。ファンの心に『薪をくべる』かの如く次々に、スターたちのアイテムがリリースされます。

その中でも特に、ワクワクさせてくれるのが「舞台写真」や「スチール」です。

今日は、そんな「舞台ヴィジュアル」のことで、実はずっと気になっていたことがあったので、書かせてもらいます。

目次

なぜ、退団すると「現役時代の写真」が使えないのか

まず前提として、宝塚歌劇団は舞台だけでなく、スターや組、世界観そのものを含めた“ひとつのブランド”として存在していますね。

そのため、在団中に撮影される写真や映像は、こんな感じで管理されていると認識しています。

・宝塚歌劇の活動の一部として、制作されている
・宝塚の世界観の中でブランディングされている
・在団中の契約のもとで管理されている

これは、宝塚の一ファンの認識なので、公式に発表されているわけではないですが、宝塚OGさんのお話などをつないでみると、こういう感じです。

そのため、退団=契約終了。
「宝塚のスターとしての姿」は、ご本人でも個人的に使用はできず宝塚の中だけに存在する、ということになるのでしょう。

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「ポートフォリオ」として使えないのは惜しい…

とはいえ、いつも少し残念に思うのは、宝塚歌劇団を卒業されてからは、ご自身がテレビ番組などにご出演される時でもそれらの画像、映像が使えないこと。(劇団に許可申請をすれば、使えるのかなぁ?)

芸能界などで活動されている方々が現役時代(タカラジェンヌ時代)を紹介されるとき、ご自身のスチール画像は当然ながら一切使われず、舞台裏で撮影されたような宝塚メイクの部分だけが公開されていますよね。

あれを見ると、ちょっともったいないような気がしています。機会損失。

舞台に立ってきた方々にとって、ポートフォリオは「自分がどのような活動をしてきたか」を伝える大切なもの。

宝塚での時間は、多くのタカラジェンヌにとってそれまでの人生のかなり大きな割合を占めているはずなのに、その象徴となる写真が一切使えないって、ちょっと寂しいですね。

メイクは基本的に自前で、ヘアアクセやヘアスタイルの「造形」もご自身のプロデュースである舞台姿、でもお衣装は劇団のもので…なかなか、複雑。

宝塚歌劇が発信するものには著作権、肖像権、パブリシティ権のルールであることは理解できるのですが、ご自身でさえも使えないのは、やっぱり少し惜しいな、もったいないなぁと思ってしまいます。

この女優さんのタカラジェンヌ時代は、こんなにカッコよかったんだ!!と、宝塚歌劇を観たことがない方にも魅力が伝わるきっかけになりそうな気がします。

ご自身だけ、お気に入りの数枚だけでも…

一方で、宝塚がこの線引きを守ってきた理由も想像できます。

宝塚は、「舞台の夢」を守ることを大切にし、タカラジェンヌもそれに準じて世界観を守ってきた歴史があります。

ただ、タカラジェンヌご本人が選んだ数枚だけでも、「ご自分の歩みを伝えるポートフォリオ」として使えたらどうだろうと…。

・代表作の一枚
・節目になった役の一枚
・宝塚人生を振り返り、忘れられない想い出の一枚

そんな限られた選択肢&ご本人のみなら…なんて、一ファンは思ってしまいますが、どうでしょう…

夢を守るための線引きがあることも、宝塚が「唯一無二の世界」であり続けている価値もわかっているからこそ、難しということも理解できるのですが…

それでも、タカラジェンヌご本人が選んだ数枚だけは、ルールのもとでその歩みを語るものとして残せたらいいのかもしれませんね。

それが、思いもよらぬタイミングで宝塚にまだ出会っていない誰かに、「こんなに素敵な舞台があったんだ」と伝える小さな入口になるかもしれません。

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宝塚ファン歴20数年、福岡在住、このブログを運営しているnaomiです。

このブログは、アメブロで2011年に開設した「TAKARA座」を前身として、大好きな宝塚のこと、これまで観劇した作品について語っています。

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