この時代の正塚先生、やっぱりなんといい作品を書かれていたことか!!
2024年月組で上演された風間柚乃さん主演『BLUFF(ブラフ)』-復讐のシナリオ-を、遅ればせながら初めて、スカイステージの放映で観ました。
もう、本当に…
月組と正塚先生の相性の良さは、『Practical Joke(ワルフザケ)ってことにしといてくれよ』からずっと感じていたのですが…
礼真琴さん舞空瞳さんトップコンビに魅了され、星組ファンの私。
月組作品を、ここ最近はあまりたくさんは観れていませんでした。
でも、『BLUFF(ブラフ)』、こんなにも見応えしかない凄い作品だったのか!!と芝居の月組に唸りました。
風間柚乃さんの圧倒的な存在感
風間柚乃さん。カザマさんのドノヴァン、なんとカッコいいことよ…。
正直、ここまでカッコよくて当時から色気があって魅力的なんて気づいていなくて、すみません。
いや、私が初めてカザマさんを認識した「AllForOne(円盤買うほど好きだった作品)」で、愛希れいかさんの双子として登場された鮮烈なデビューから、ずっと光っている方だとはわかっていたのですが(*’▽’)(無現無双の新公の時もよかった)

何というか…星組のキラキラ感のある男役さんをたくさん観てきて、またそのテイストと違う渋みと重厚感のあるクラシカルなカッコよさとでもいいましょうか…。
でも、ふと色気や優しさ、大人の男役の包容力がひしひしと感じられて、本当に素敵でした。
おじいちゃんの変装も、とてつもなく巧くて可愛くて、心がくすぐられるような魅力的な役作り。年齢を行き来する難しいお芝居も、シームレスに繋いでいて、破綻しない。
本っ当に、大変すばらしいドノヴァンでした!!
大好きな礼真琴さんの「萩の月」を引き継いでくださった、カザマさん。そういう意味でも気になる存在。

花妃舞音さんの芝居力とヒロイン性
そして、ヒロインの花妃舞音さん。全ツで初めて生で舞台姿を観ることができて、声色が可愛らしくヒロインらしい方だな、という印象でした。なので、この作品で初めてしっかりとそのお芝居を観たのですが…
やっぱり「芝居の月組」の娘役さんの「芝居力」は凄いな…と唸りました。
可愛いのだけれど少し残念な雰囲気の女の子だった冒頭のシャロンから、淑女に変身していくところも心が躍ったし、いじらしかった。(そんな変身したシャロンを見た時の、カザマさんの息を呑むような、初めての感情に戸惑うような「あの表情」が素敵過ぎてグッときた!!)
作戦を遂行していく時の、毅然としたお芝居も、早口でもしっかり内容が入ってくる台詞まわしも、ただただ「可愛いだけ」ではない実力を感じました。

「おだまのん」コンビの相性の良さ
そして、何と言っても特筆すべきは、風間柚乃さんと花妃舞音さんの相性の良さです。
これは、好みとかどうとかいう問題を越えて、相性はやはり宝塚の夢を増幅するためにとても大切な部分なので、その点で「おだまのん」と呼ばれている所以がよくわかりました。
お2人が並ぶと、お2人が持つ良さが最大限引き出されて、互いが素敵に見える。
もっと、お2人が組んだところを観てみたい、と思わせてくれる。
そんなコンビが、やっぱり宝塚歌劇には必要ですね。
カザマさんが隣に立つことで、まのんちゃんの甘めの可愛らしさが「いじらしい」に見える。
まのんちゃんの現代的な可愛らしさが、カザマさんの渋さを「色気と包容力」に見せる。
どうしよう、「おだまのん」にときめいた!!
とても、とても心がキュンとするような素敵なシーンでした(*^-^*)
佳城葵さんと彩みちるさんの力強い芝居
佳城葵さん、彩みちるさんも、この作品のもう一つの主演コンビのように素晴らしかった!!
この感じを出せるのは、今の宝塚歌劇でも指折りの方々だけでしょう。
間合いも何もかも、「まさに、芝居の月組」の権化で唸りました。
佳城さんは、2024年の年度賞でアーティスト賞を受賞されましたね!
もう心から納得しかない受賞!佳城さんの、どこか憎めないチャーミングな役作り、でも反面やっぱり凄味や怖さもはらんでいて、本当に素晴らしかったです。
そして、みちるちゃんは、とてつもなく「月娘」でした。
私にとって原点となっている月組は、真琴つばささん時代。いい意味で「アクの強い」女役をやれる娘役さんがたくさんいらっしゃいました。あの風情をしっかり今に引き継いでいらっしゃるのが、彩みちるさんだと思います。
雪組時代も躍動されていましたが、私は月組でみちるちゃんがご自身の魅力を開花されたことを、心から素晴らしいと思いました。
月組の芝居力を体現する出演者たち
あみちゃんも乃々れいあさんも、上級生から下級生まで男役さんたち、娘役さんたち、そして専科さんも、全員がとにかく巧いよね~。紅一点だった羽音みかさん、星組へと組替えとなった天愛るりあさんも、上級生娘役としての重厚感があって印象的だったなぁ。
月組のお芝居を体いっぱいに体現されていて、改めて宝塚歌劇の多面性、魅力の奥深さを感じさせてもらいました。
初演から現代へ受け継がれる『BLUFF』
久世星佳さん主演のバウ・アドベンチャーロマン『BLUFF』(1990年月組、正塚晴彦 作・演出)、これが初演だったんですよね。
1990年代の作品、そして久世さんの滲みだすような大人の風情を表現するのは、令和の「今の宝塚歌劇」では本当に難しかったと思います。でも、それがカザマさんにはぴったりハマった!!
主題歌の「Put my life on the line」も、心の琴線に触れるおしゃれで素敵な曲ですね。とても好きな1曲になりました。
極美慎さんの「にぎたつの海に月出ず」の時も書かせてもらいましたが、やっぱりバウ公演で「ハマり役」に出逢うのって本当に大切だと思うのです。
カザマさんは書き下ろしの新作ではありませんでしたが、過去の名作を現代に蘇らせることができる貴重な人材として、やっぱり「ハマり役」に出逢いその存在感をより増しました。

全宝塚ファンに観てほしい良作!!
復讐のシナリオ、なんて題されているから身構えてしまいますが、観終わると爽快さもあり(佳城さんとみちるちゃんのその後が気になりましたが…)クスっと笑えるところもあって明るい。
「上質なお芝居を観たなぁ」という満足感が凄かったです。
そして、私にとっては「おだまのん」の相性の良さに気づかせてくれた作品でもありました。
カザマさんのご挨拶に滲む謙虚さ、ユーモアセンスもよかったなぁ。
機会があれば、月組ファンの方以外もぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。
にぎたつに続き、「全」宝塚ファンの方々に観ていただきたい!!と思うくらい、過去の作品を現代に蘇らせ、今の月組の魅力を存分に感じられる見応えのあるいい作品でした。
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