宝塚歌劇のチケットに関する、新聞記事を読みました。
宝塚歌劇団が、私設ファンクラブへのチケット分配の在り方を9月から見直すというニュースです。
長年続いてきた仕組みが変わろうとしていることに、大きな時代の転換を感じます。
けれど、記事の内容をよく読んでいく中で、ファンとして複雑な思いも込み上げてきました。
今回はその気持ちと、これから宝塚に願うことを書かせてください。

チケット分配の見直し
宝塚歌劇団が9月から、私設ファンクラブへのチケット分配の在り方を見直すと報じられましたね。
これまでトップFCが取りまとめ役となり、他の劇団員のFCにチケットを配分する仕組みでしたが、これからは各FCが直接劇団に必要枚数を申し込む形に変わるとのこと。
この大きな変化の背景には、“チケットがノルマ化していた”という実情があったとのこと。
余ったチケットを「どうにかさばかなければならない」という重圧は、会員にも代表にも負担を与え、場合によっては親族や知人にお願いして買い取ってもらうケースまであったと報じられました。
「完売」を守るための歪んだ仕組みが、ファンの善意に依存してきたのだと改めて感じています。

“完売戦略”への違和感
商業演劇にとって、チケット販売は生命線。
劇場の座席数に上限がある以上、「空席を作らず、1枚でも多く売る努力をする」こと、そしてそこに戦略があることは当然のことだと思います。
でも、報道にあったように「100周年を転機に“なかなか取れないプレミアチケット”を方針とし、団体客や貸切を増やして“完売”を演出した」この部分には、宝塚の一ファンとして強い違和感を覚えました。
「どうしても売れ行きが芳しくないチケットを、どうやって行き渡らせるか」ではなく「完売という二文字を死守するために、友会や一般への販売枠を縮小する」という姿勢は、どう考えても観客を大切にしているようには思えません。
宝塚のチケットを取るのに、苦労したことがある方は多いと思います。
私も、その一人です。
本当に観たいファンにチケットが行き渡らず、かえって落胆や不信感を募らせる結果になってきた現実も目の当たりにしています。
ブランド戦略として短期的には効果があったかもしれませんが、「観たい人が観られない」状況は、残念ながら本来の舞台芸術の在り方と逆行していたのかもしれません。

「今の時代」に求められる仕組み
インターネットが急速に普及し、時代は変わりました。
今はインターネットで、直前でも座席を選んで購入できる時代。
宝塚以外の多くの劇場や演劇公演では、購入時に自分で席番を指定できる仕組みが導入されています。
しかしながら、宝塚歌劇はようやく公式リセールがリリースされたものの、このように「一般の観客が、オンラインで自身でチケットを買える仕組み」は導入されていませんね。
遠征組にとっては「飛行機や新幹線の予定が立った段階で、安心して購入できる」メリットが大きいですし、地元の方にとっても「直前でも空席があれば、好みの席を選んで気軽に観に行ける」柔軟さが生まれます。
さらに、観客の希望は一様ではありません。
「できる限り前方で観たい」という人もいれば、「全体が見える後方が落ち着く」という人もいる。
安全や体調の都合で、通路側や出入りしやすい席を選びたい方もいるかもしれません。
その多様な事情に応えられる仕組みこそ、今の時代に寄り添ったチケット販売方法だと思うのです。

これからの宝塚に期待すること
宝塚歌劇がこれからも多くの人に愛されるためには、過去の「完売戦略」に頼り続けるのではなく、透明性と柔軟性を兼ね備えた販売システムへも寄り添っていくことが大切なのでは、と感じます。
公平にチケットが行き渡り、「観たい人が観られる」環境が整えば、観客の満足度は自然と高まるはず。
なぜなら、今の宝塚歌劇は「レベルが高い」から。
かつての宝塚歌劇も本当に夢の世界を届けてくれて大好きですが、現代ではさまざまな点が時代と共に「ブラッシュアップ」していると感じます。
それは、礼真琴さんのトップスター時代にたくさんの作品を魅せてもらい、今年は花組、月組も地元で観劇できたことで、心底感じています。
宝塚歌劇団には、もっと、今の宝塚歌劇のレベルを、タカラジェンヌを、スタッフを、そして宝塚を観たいと願う観客を信じてほしいと思う。
それは、111年宝塚を創ってきた、応援してきた1人ひとりの力の結集です。
宝塚には111年を超える伝統と、多くの人を魅了してきた舞台があります。
その価値を守るためにも、ファンの善意や忍耐に頼るのではなく、時代に即した仕組みで次の時代へと歩んでほしい。
そう願わずにはいられません。
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