不思議な涙…あの頃の花組を観て

舞空瞳さんのファンと言っておきながら、ずっときちんと観れていない作品がありました。

「ハンナのお花屋さん」

なこちゃんが大切にしている原点のような作品。

大好きな礼真琴さんにとっての「阿弖流為」のように、大好きな方が大切にしている作品というのは、なんだかとても構えてしまって、「きちんと観れる時に…」と先延ばしになっていたのです。

「阿弖流為」は、以前感想を書かせてもらった通りで、もう涙が止まらなくて私にとっても大切な作品になりました。

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で、ついに観ました。「ハンナのお花屋さん」も。

当時、トップオブトップと呼ばれた明日海りおさん主演の作品。みりおさんが、「お花屋さんになりたかった」という夢が叶った、フローリストが主役のお話。ほのぼのとした、現代劇かなぁ…と思いきや、全く違って、とても考えさせられる深いストーリーでした。

宝塚作品では、あまり切り込まない社会的な側面に触れられているのも、意欲作だと思いました。

ストーリーに北欧が深く絡むこともあって、群舞では「マリメッコ」のウニッコ柄のお衣装をまとっていたのも新鮮ですね。

でも、その中で妖精のような天使のような、そんな役どころを担ったのが、当時研2だった舞空瞳さん。

そして、そのお相手となる夫のお役が、芹香斗亜さんでした。

私は星組に組替えになってから、なこちゃんに注目し始めて大好きになったので、この「生まれたての舞空瞳」はあまりにも無垢で衝撃的でした(;_;)

芹香さんとなこちゃんの並び、しあわせそうに笑いあうお芝居を観ていると、色んな感情が渦巻いて、自分でも何の涙かわからないけれど、涙が溢れてきてしまった…

タカラジェンヌとして生まれたてのなこちゃんに、優しく大きく寄り添っていた芹香さん。

宝塚が大好き、このお役が心から大好き…

そんな気持ちが溢れ出すような、なこちゃんのハンナ。

少女のようなのに、明日海りおさんのお母さんにちゃんと見える、「母性」

なこちゃんのお芝居には、どんな時にも「母性」「温かさ」を感じてきました。

その原点は、ここにあったんだ。

あの頃の花組は、本当に百花繚乱。トップオブトップの明日海りおさんの隣には、頼もしい瀬戸かずやさん、2番手には芹香斗亜さんが堂々とした佇まいで舞台に立たれていました。花組に、とても合っていた。

男役さんも、皆さんスタイリッシュで芝居巧者ばかり。麗しいです。

トップ娘役の仙名彩世さんはこの作品では、やや出番が少なく、重要な役どころですが、いわゆる王道の「ヒロイン」ではない難しい役どころだったと思います。でも、当時花娘と呼ばれた個性豊かで美しい娘役さんたちも大活躍。

この花組で、大切に大切に育てられたなこちゃん。

ここから数年後に、まさか「パッションの国」にひとり旅立つとは、露ほども思っていなかったでしょう。

だからこそ、星組で礼真琴さんと出会った奇跡と、それからの歩みがどれほどに貴重だったのかと思い知らされます。

私は礼真琴さんと舞空瞳さんのファンだから、こんなにも素敵なトップコンビが誕生したこと、そして応援できたことが心から幸せです。(ずっと読んでくださっている方は、並々ならぬ「ことなこへの想い」をご存じだと思いますが…)

ただ、もう一つの可能性として、もしなこちゃんがこのまま花組だったら…。

どんな未来だったのだろう、とふと想像してしまいました。

それくらい、可能性に満ちたなこちゃんのハンナでした。

だからこそ、舞空瞳さんの花組→星組、この組替えがありがたくて、感謝の気持ちでいっぱいになります。

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なこちゃんは、花組で大切に大切に育てられていたのであろうと、その後のインタビューや様々な方のお言葉から感じてきました。

そしてなこちゃんが研2でこれほどの大抜擢を受け、それを見事に演じ抜き、それでもなお花組生に可愛がられていたのを想うと、「星組への組替え」はどれほどに、青天の霹靂だったろうと…。

こっちゃんが、「トップ娘役になることがわかって、組替えになった。なこちゃんは、物凄い覚悟できてくれた」というようなことを話してくれていましたね。

その「物凄い覚悟」が星組で花開いたのも、「トップオブトップ明日海りおさんの花組」という土壌があったことも、なこちゃんにとっては大きかったのかなぁ…。そんなことを感じました。

だからこそ、なこちゃんのミュサロで、なこちゃんは潔く花組時代の曲を何曲も歌い、みりおさんに声で出演してもらい、最大限に花組への敬意と感謝を伝えられたのかなぁと…。

どの組もそれぞれに個性があり素敵だけれど、トップオブトップの組は、やはり「ひと際煌めくスター」が育ちやすいと感じます。

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真琴つばさ時代の月組や、柚希礼音時代の星組から、幾人もトップスターが生まれたように。

それは、これまで宝塚歌劇を観てきて、感じていました。

あの頃の花組に、そして礼真琴トップスター時代の星組にも同じものを感じていました。

礼真琴さんの後を継ぐ暁千星さん以外にも、極美慎さん、天飛華音さん、稀惺かずとさん…きっと、皆さん0番に立たれる未来を予感させます。

ひと際輝く人の傍で学び、舞台に立ち、その技術面だけでなく人をまとめる力や求心力、組全体もひと際注目されていくと、おのずとスターが育つ。

そしてこれからは…

どの組が、その任を担っていくのでしょう。

どの組もそれぞれに魅力があって、どの時代も本当に素敵。決して「トップオブトップ」だけがすべてではないけれど、その瞬間にしか生まれない、「眩いばかりの輝き」がある。

これから先、どの組が「宝塚を牽引していく」のか…その歩みを、楽しみに見守っていきたいです。

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宝塚ファン歴20数年、福岡在住、このブログを運営しているnaomiです。

このブログは、アメブロで2011年に開設した「TAKARA座」を前身として、大好きな宝塚のこと、これまで観劇した作品について語っています。

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