「礼真琴論」を読みました。
先日から、予約をしていて、こっちゃんがご卒業された後に、少しずつ合間をぬって読み進めていたんです。
今日は、この書籍を読んで感じたことを率直に書かせてください。
まず、「礼真琴論」と、そのタイトルが潔い。
すなわち、「礼真琴とは」を論じますということですよね。
こっちゃんを、1冊の本にするってどんな内容なのだろう…ファンなら、誰もが興味をそそられるのではないでしょうか。
私もその一人で、以前記事にも書かせてもらいましたが、筆者の方やこの本で取り上げられるテーマを予習していました。

もちろん、詳細に感想を書くとネタバレにもなるので控えますが、大好きな礼真琴さんが丸ごと1冊ということでとても楽しく読ませてもらった部分と、どうしてもモヤモヤが拭えない部分と両方がありました
これから読まれる方、感想を聞きたくない、という方は、読後にご覧いただけたら嬉しいです(*^-^*)
躍動感に溢れた、トップスター前まで
前半部分は、礼真琴さんがトップスターへと歩んでいく過程が、とても躍動感のある文章で描かれていて──まるで舞台が目の前に広がるような臨場感にワクワクしました。
もう一度、あの作品を観てみよう、あの挨拶をもう一度円盤で観たい!そう思えるくらい、筆者の方の熱量を感じたんですよね。
それと同時に、95期についても触れられていて、興味深く読み進めることができました。筆者の方は、特に出身地に対してとても強い思い入れをお持ちなのだな、と…。
トップスター就任後は、本筋から外れた印象…
ただ後半に進むにつれ、少しモヤモヤが残ったのが正直な気持ちです。
宝塚や礼真琴さんを「論」じる上で必要なファクターなのかもしれませんが、本筋から外れたテーマが長く続いたり、作品紹介に比重が置かれすぎていたり…。
特に、礼真琴さんと舞空瞳さんというトップコンビについては、ほとんど言及がなく、ことなこトップコンビのファンとしては、かなり物足りなさを感じてしまいました。
前半までの熱量はどこにいってしまったのか…というほど、星組にことなこに、そしてこの本の主人公である礼真琴さんに対して「筆者の方の視線が、離れていってしまっている」というか…
外的データや技術面への言及が多く、「礼真琴さんそのものを描くこととの距離」が生まれてきているのを感じました。主観で書かないように努められた結果、なのでしょうか…。
どうしても、ジェネレーションギャップがあるのかもしれません。
私の勝手な想像ですが、筆者の方は礼真琴さんがトップスター就任されてからの作品や星組の布陣に、あまり納得されていなかったのではないかなと…
また、さまざまな事情により生観劇が難しくなったこと、2023年からの宝塚歌劇の状況に対して世間の目も厳しくなったこと…
作品や演者へ、というよりも作品が上演された時代背景や礼真琴さんの技術面に対する深掘りに終始されていた感が否めません。
私自身は、やはり宝塚歌劇は「トップスター、トップ娘役、そして組子」という形だけは、守り抜いて欲しいと感じているひとり。ですが、筆者の方はもう少しフレキシブルな形も容認されている印象でした。
多彩なジャンルの演劇を観劇され、さまざまな視点から宝塚歌劇を論じておられるので、その視野の広さはとても学びがありました。
ただ、「礼真琴論」とするには、トップスターになられてからより顕著になった温かなお人柄や、トップコンビの絆、組子とのエピソード、そして何よりことなこトップコンビが抜群に輝いた「ショー」については、ほとんど触れられておらず、バッサリと割愛されている印象だったのが、とてつもなく残念です。
思った以上に、感じ方は多様だった
「結局、礼真琴というタカラジェンヌはどんな人物だったのか」
その答えにたどり着く前に、急ぎ足で幕を下ろされてしまったような…
もちろん、データや作品を丁寧に並べて、その背景や客観的評価を盛り込んでくださったこと自体には、価値があると思います。
けれど、礼真琴さんの一ファンとして私が読みたかったのは、舞台上で放ってきた礼真琴さんの圧倒的な輝きや存在感、息遣い、そしてコンビや組子たちとの化学反応、成長物語…
そういった、心温まる視点にも光が当たっていたら嬉しかったな、と思いました。
そして「礼真琴とは」を表現された結びの言葉は、私がこれまで見つめてきた礼真琴さんの姿とは重ならず、どうしても引っ掛かっています。
ただし、これはあくまで私の感じ方です。
別の方が読めばまた違った印象を持たれるでしょうし、それもまた、この本が提示してくれた「礼真琴さんの魅力」なのかもしれません。
そして、この本を読んだからこそ「自分は、礼真琴さんの技術面だけではなく、どんな部分に惹かれてきたのか」を改めて感じるきっかけをもらえたのも事実です。
そういう意味では、モヤモヤも含めて、自分自身のファンとしての立ち位置や視点を、再確認する読書体験になったように思います。
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