【連載3】は初演星組「ロミオとジュリエット」のストーリーにフォーカスします。
物語をより深くしてくれたオリジナルの設定 。
今回のロミオとジュリエットという作品には、 「愛」(礼真琴さん)と「死」(真風涼帆さん)という、これまでの同作品にはなかった概念の 役どころが用意されていました。 これは、とても興味深い設定でした。
言わずと知れた不朽の名作「エリザベート」
これまでも、小池修一郎先生の作品「エリザベート」 で、 黄泉の帝王=“死”トートという役がありました。 トートが登場するからこそ、輝きを放ち物語の深みが増すミュージカルです。
“死” という実体のないものを具現化することで、 より具体的に、より深く主人公(エリザベート)の心の動きが感じられる…
それがたとえ悲劇であったとしても、 その先に道が見えてエリザベートの何とも言えないあの微笑でラストを飾る。
しかし同じ “死” を具現化するという設定でも「ロミオとジュリエット」と「エリザベート」が違っていたのは、
「死」 に対抗するまたは紙一重で存在する「愛」
という役どころが用意されたこと。 ロミオとジュリエットの運命的な恋から、情熱的に燃え上がり やがてその愛ゆえに燃え尽きてしまうまで。 悲劇的な物語を、美しく描き出していた。「愛」が存在してくれていたからこそ、なぜか作品を観終わる時少し救われたような気持ちになれた。
「死」 がロミオに忍び寄り、「僕は怖い」で歌われ表現されたように 幸せの中にあっても、真っ暗な闇が広がり、 それに飲み込まれそうになる。 しかし、「愛」の存在が、若いふたりをいつも見守っている。
やがてふたりが「愛」ゆえに燃え尽きたとき 「愛」と「死」も重なりあう…
最後に、黄泉の国だと思われるところで ロミオ(柚希礼音さん)とジュリエット(夢咲ねねさん)がこの上ない満ち足りた笑顔で じゃれあいながら幸せそうに踊る姿を観た時、 この作品がただの悲劇ではなく、壮大な愛を表現した 素晴らしいものなのだと、改めて感じました。
この時の、柚希さん、夢咲ねねさんのデュエットダンスは これまで観てきた様々なトップコンビのものとまた違った 若さ、純粋さ、そして無邪気さ を本当に良く表現した斬新なものでした。
こんなに涙したデュエットダンスは、いまだに観たことがありません。
観ていて心から温かい気持ちになり涙しました。 このダンスがなかったら、もしかしたら悲しいまま、 心が重たいまま劇場を出ていたかも。 それくらい、このデュエットダンスに救われた。 やっぱり宝塚には救いがある。
誰もが一度は読んだり、観たことのある「ロミオとジュリエット」を 、新たな切り口で作られたこの作品は このようなオリジナルの設定やシーンによって より深く素晴らしい名作となったのだと思います。
皆さまはどう思われますか?
…ということで、【連載4】は「 斬新な衣装+完璧すぎるビジュアル 」について書きたいと思います。すごく私好みのお衣装だったので、もう書きたくてうずうず!次回もお楽しみにしてくださったら嬉しいです(*^^*)
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(私は、スカパーでスカイステージを視聴しています♪)
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