凰稀かなめさんの「ルドルフ」は…:宙組全国ツアー公演『うたかたの恋』

2013年の夏。満員御礼の場内、とても活気に満ちた福岡公演でした。

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宙組全国ツアー公演『うたかたの恋』


夏休みと言うこともあってか、お子さんや若い方も多く、また男性客も目立っていました。 私の近くに座っていらした男性の方も、「みりおんが…まぁくんが…」と慣れた雰囲気でお話されていたのを耳にしましたので、福岡でも男性客が定着してきたのかな、と嬉しくなりました!

この公演は、幸運なことにオペラグラスがなくてもバッチリジェンヌさんの表情を観ることができる前方の良席!細かな表情が手にとるように伝わってくる、臨場感溢れる素晴らしい観劇になりました。

映像では観たことがあったものの、生の観劇で「うたかた」を体験するのはこの時が初めて。でも、印象深い場面、台詞が多いので何だかすごく知っている作品のように感じていたのです。


でも…今回じっくりと生で観劇してみて、やっぱり生の観劇は違う! 生で観てこそ、この作品がなぜこのように長い間再演を繰り返され、またこの99周年という時期にあえて選ばれて上演されたのかがわかったような気がします。


何だか理屈じゃなく…ストーリーや演出、衣装、台詞、全てが本当に宝塚らしいこれぞ宝塚!を体現した舞台だったのです。


現代的な宝塚作品も大好きな私ですが、やっぱり伝統の作品は良いな、しみじみやっぱり名作だと思わされました。


うたかたの恋/Amour de 99!! -99年の愛-[DVD] / 宝塚歌劇団

特に良かったのは、やはり凰稀かなめさんの、品がありながら色気を感じる魅力的なルドルフ。

白軍服がこれでもかっ!という程似合っていらっしゃるのは言うまでもありません。

パンフレットよりも、観劇時のオールバックの髪型のほうがより品がありよかったです!銀河英雄伝説に続き、かなめさんの有無も言わせぬ無敵のビジュアルはやはり、大いなる武器です。


マリーを包み込む包容力をきちんと表現されていながらも、本当は逆にマリーに全てを包んでもらっているような繊細さもとても感じられました。


特に印象的だったシーンは、マリーとの将来を絶たれた時。張り詰めた糸がプツンと切れて、父に向かって「父上ーーー!!!」と叫んだところです。

これまでにないくらい逆上し取り乱して叫ぶところが「ズキン」と心に迫り、印象的だったなぁ(/_;)

また、やはりマリー役の実咲凜音さんは巧い!と思いました。全てにおいて。
実咲さんの、若く初々しい様がそのままマリーとリンクして、ルドルフが全てをかけて「青く小さな花」と愛しただろうと想像できる可愛らしいマリーでした。


声色をとても高くして、コロコロ転がる鈴のよう。歌もすうっと通る高音が見事でしたね。


特に心に残ったのが、ルドルフに渡された指輪に刻まれた日にちが「ふたりのあの日」だとわかった時、「恥ずかしいっ」とルドルフに抱きつくところ。


変に大人びたり、落ち着いたりせずに本当に少女のように恥ずかしがる感じがとても魅力的で、可愛らしかった

それは、実咲さんの雰囲気そのままで、違和感なくマリーでいてくれたからこそ、自然に心に響いたのです。

かなめさんや実咲さんだけでなく、その他の皆さんも、誰一人違和感なく役と一体となった自然なキャスティングだったからこそ、無理なくうたかたの世界に入っていけたなと思います。

壮絶なラストに向け、最後にふたりがかくれんぼをしたり「狼ごっこ」をしたりして、つかの間の恋人の時間を過ごすシーンは、もうすでに泣いていました。とても微笑ましく素敵なカップル。


幸せそうな、普通の恋人同士なふたりを観ると、その後の壮絶なラストを想像してしまってもう涙なしには観られませんでした(;_:)

回想シーンから始まり、またラストにそのシーンが展開される。この演出もやはり効果的に心に残りますね。 作品を通して観て、最後にもう一度冒頭の舞踏会のシーンを観る。

そのことで、そのシーンに対する自分の気持ちの入れ方が、始めとラストとは全く違うことに、自分の心がどれだけ動いたかを感じさせられました。

作品の中でいわば物語の案内役である、朝夏まなとさんもとても良かったですね。とても堂々とされていて、安心感がありましたし、最後の盛り上がりまでしっかりと橋渡しして下さいました。やはり2番手なんだろうな、と感じさせるだけのパワーや雰囲気がビシバシ伝わってきました。

うたかたの恋、やはり間違いなく名作です。

凰稀かなめさんのルドルフは、これまでの誰が演じられたより「品格と色気」に満ちていた。今思い出してもそう感じます。

次回は、層の厚い男役スターさんたちについて、書きたいと思います(*^^*)

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宝塚ファン歴20数年、福岡在住、このブログを運営しているnaomiです。

このブログは、アメブロで2011年に開設した「TAKARA座」を前身として、大好きな宝塚のこと、これまで観劇した作品について語っています。

筆者の詳しい自己紹介はこちら→https://takaraza.com/profile

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