続・宝塚「最後のベール」とは…

昨年から続くさまざまな出来事、そして宙組再開が発表されたこと、それに対するありとあらゆる意見や感想、人の想いが、SNSやブログ、インターネット上の記事や新聞記事などさまざまな媒体で発信されています。

それは、宝塚歌劇に直接かかわる人たち、そして関わってきた人たちも含めて…。

約4年前のことになりますが、スカイステージ開局15周年特別番組「輝ける15周年、夢のときめきステージ with you!」という2時間近い特番が放映されました。

その時、最後のコーナーを飾ったのが元月組トップスターであった真琴つばささん、そして宝塚で理事長も務め、専科として長らく活躍された轟悠さんの対談でした。

真琴さんは私が宝塚にどっぷりとハマるきっかけとなった最初のスターさん、私は真琴さんの男役の大ファンでした。そして、轟さんは雪組トップスター時代から近年まで宝塚で大きな足跡を残した方。

このおふたりの対談がとても印象に残ったことを思い出します。

この時、書いたブログがこちらなのですが、約4年経った今もまた同じことを思っています。

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宝塚の裏側やスターの素顔をスカイステージなどで発信して、タカラヅカをより身近に感じてもらえる機会ができたけれど、「最後のベールだけは守ってください」という、小林先生のお言葉だけは、なんとしても守っていかなければならないという、おふたりのお話…。

「最後のベール」かぁ。

スカイステージでは、舞台上とは違う、ひとりの舞台人、ひとりの女性、ひとりの人間としての個性や魅力を発揮されているタカラジェンヌの皆さん。でも、やっぱり私生活やパーソナルな部分は美しくベールに隠されています。

TAKARA座 真琴つばささん×轟悠さん対談!「最後のベール」とは…

「最後のベール」、当時私は、それが何であるのかまだ漠然としていました。

そして、こんな風に考えていたんです。

大好きであればあるほど、その人のことを知りたくなるもので、少しさみしくもあるけれど、守られているからこそ宝塚ならではの「品が保たれている」とも思うのです。すみれコードと呼ばれるものも、そのためにあるのだろうと思うから。

TAKARA座 真琴つばささん×轟悠さん対談!「最後のベール」とは…

そして、こんな風にブログを締めました。

どこまでを現実世界で共有して、どこからをファンタジーにするのか。皆さんきっといつも考えていらっしゃるのでしょうね。だからこそ、私たちは夢を見させてもらっているのだと思います(*^-^*)

「タカラジェンヌの最後のベール」ってなんだろう?ってなんだか考えさせられたお話でした。

皆さまは何だと思われますか?

TAKARA座 真琴つばささん×轟悠さん対談!「最後のベール」とは…

宝塚の「ベール」が次々とはがされ、見たくないもの、見たくなかったもの、聞きたくなかったこと、たくさんの事柄が溢れ出てきた昨今です。

でも、それは目を背けてはいけなかったもの、時代にそぐわないことががたくさん含まれていたのも事実でした。

世間が知ったからこそ、宝塚歌劇団が抱える問題の改善へと道が開けた部分もありました。

もともと「すみれコード」は、宝塚歌劇団の品格を損なうような言動をしない、観客の夢を壊すような内容の表現や演出をしない、それをファンも求めないというもの、だと私は認識しています。

退団すれば、タカラジェンヌではなくなるのだから、全て解禁!というわけではなく、宝塚OGそれぞれの「配慮」のもとで活動し、退団後についても宝塚について語る時には「ふわっと守られている」そういうイメージがありますね。

しかも、「すみれコード」って誰からも明言、明文化されていない。

よく知られているところでは、タカラジェンヌの年齢や私生活に関わることは「すみれコード」と言われます。

要は「宝塚の世界観を壊さないように」という暗黙のルールで、こういう「ふわっとした」ルールに、ある意味タカラジェンヌは縛られることもあり、しかし守られてきたとも言えるのでしょう。

最近は、スカイステージや書籍などの内容も少し踏み込んだものが増え、タカラジェンヌの「人柄」を感じられることが増えました。

舞台上での美しさや圧倒的パフォーマンス、それらに感動するのはもちろんですが、そこに至るまでの「パーソナル」な部分にもスポットが当てられるようになり、限られた情報ではありますが大好きなスターさんの「人柄」をそこから造形しています。

それで、さらに「この方の考え方好きだな」とか「学びがあるな」と思うことも多々あるんですよね。そして、さらにファンになっていく、というよい循環が生まれる。

でも、反面、タカラジェンヌの皆さんにとっては、これまで媒体が限られていた時には「自身のパーソナルな部分」を見せる機会も限られていた。

だから、「舞台上の姿を最高なものに!!」ということに、集中できていた部分もあったでしょう。

でも今は、さまざまなシーンで自分の考えを語ったり、千秋楽などの挨拶が「ライブ配信」で日本国内、海外(こっちゃん的に言うと「お茶の間」)にも放映されたり、という時代になりました。

もしかすると、本公演のお稽古以上に、その部分にもさまざまに想いを巡らせて、時には悩まれることもあるのかも…と想像しています。

これはライブ配信が始まるまでの数年前までなかった文化であり、それこそ礼真琴さん、柚香光さんがトップスターに就任された時から始まったので、この約5年以内にトップスターに就任した方々が開拓した分野ですね。

ライブ配信で編集なし、生の舞台姿を届ける、そして生の声を発信する…これって、想像以上にすごくプレッシャーだろうなぁ…と改めて、トップスター、新人公演主演スターなど、自分の言葉で発言する方々の重責を想います。

大輝真琴さんが退団者の挨拶で話されていた「RRR」の台詞を引用した「人柄と腕前を磨く」、この言葉が、なぜかずっと心に残って離れません。

「最後のベール」

それが何であるのか、私にはまだその答えが見つかっていません。

ずっと明確にはわからないのかもしれないし、人それぞれに答えがあるのかもしれない。

そして、昨年からの一連の出来事、情報錯綜によって、既にその多くはがされてしまったのかもしれません。

でも、宝塚を愛する人たち、これから宝塚に出会う人たちが、この唯一無二の世界を愛し続けていくために…。守られなければならない「最後のベール」は、これからもやっぱりあるのでしょう。

今大事なのは、SNS文化が急速に普及した「令和版」に「最後のベール」がきちんとアップデートできているかってところじゃないかと思っています。

宝塚ファンも、宝塚に興味のない人も、宝塚OGも…

あらゆる立場から、気軽に世界中へと「言葉」を発信できる、そしてそれが簡単に目に触れる時代であることを日々実感するからこそ、

どんな小さなつぶやきであっても、その言葉の想像を越えた「影響力」に想いをはせられるか…ってところが、自分も含め大切なことなのだなぁ…と改めて思っています。

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宝塚ファン歴20数年、福岡在住、このブログを運営しているnaomiです。

このブログは、アメブロで2011年に開設した「TAKARA座」を前身として、大好きな宝塚のこと、これまで観劇した作品について語っています。

筆者の詳しい自己紹介はこちら→https://takaraza.com/profile

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