『宝塚歌劇団の看板を背負う』ということ

先日、宝塚音楽学校創立110周年記念特別番組「110年のあゆみ~清く正しく美しく~」という番組内で、今年7月18日に宝塚大劇場で行われた創立110周年記念式典をダイジェスト映像で観ました。

大地真央さん、湖月わたる、陽月華さんなど卒業生1200人を含む約2千人が宝塚大劇場に大集結。宝塚の歴史の重みが感じられるそれはそれは、華やかな式典でした。

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卒業しても、タカラジェンヌであった誇りを胸に

私がこの式典を観ていて思ったのは、こんなこと。

  • 華やかでゴージャスでありながら、どこかアットホーム
  • 宝塚歌劇団への愛が溢れた空間
  • 宝塚歌劇団への敬意と思慕が感じられる
  • 卒業しても、タカラジェンヌであった誇りが感じられる

まるでここは、「タカラヅカ」というひとつの国家、ひとつの異世界、現在の職業や立場は異なっても「家族」。そんなことを想わせる独特の雰囲気と熱量と、それと両立した厳かさが満ち満ちていました。

宝塚が110年重ねてきた歴史のなかで、その時代を担ってきた卒業生たち。それを今に引き継ぐ現役生たち。そして、それを見守るファンたち…。この構図は、この脈々と受け継がれてきた宝塚歌劇団の象徴のような姿です。

宝塚歌劇団は、ほかの演劇とはかなり異なる点がたくさんあります。たとえば、女性だけで構成していたり、出演している女性たちが未婚であることが決められていたり、トップスターが基本的に主演を務め続けたり、劇団の演出家、作曲家、振り付けの先生方などがタカラジェンヌたちだけために作品を生み出したり…。

そういうある意味特殊な世界だからこそ、一般社会と異次元な場所に連れて行ってくれるのかもしれません。

そういう世界に憧れたり、宝塚歌劇そのものはあまり知らなくても「思いっきりダンスしたい!」「大好きな歌をたくさん歌いたい!」など何らかの夢を持ったりして、少女たちはこの地に集まる。そして宝塚歌劇団の伝統に触れながら仲間と切磋琢磨し、ファンや観客とともに自分の芸名を磨いていく…。

そのような青春を懸けた場所に再び集った元タカラジェンヌたち。その歴史の重みと共にいつまでも「タカラジェンヌであったことへの誇り」が心のなかに宿っているのだろうなぁと、式典の様子から感じられました。

いつまでも「宝塚歌劇団」の看板を背負う覚悟

いつか、真風涼帆さんが星風まどかさんの花組組替え(娘役トップとして)前最後の作品「アナスタシア」の千秋楽で、こんなことを仰っていました。

「組は違えど、宝塚という看板を背負う者同士、切磋琢磨し精進して参ります。」真風さんのこの言葉も印象的です。「宝塚という看板を背負う」この表現が、なんだか真風さんらしいな。真面目で責任感がつよい真風さんだからこそ、すっと出た人間味のあるとても素敵な表現だと思いました。

真風涼帆さんが大きく見えた:「アナスタシア」千秋楽挨拶 20212/24 TAKARA座

もちろん、トップスターである真風さんや娘役トップスターのまどかちゃんは「組の顔」ということで、より一層「宝塚の看板を背負う」という意識が強くならざるを得ない立場であり、だからこそこの言葉が自然に出たということもあるかもしれません。

でもこれは、トップコンビだけではなく、どんなに下級生であっても皆さん同じ想いで舞台を務めているのだろうなぁといつも思います。卒業後どんなに年月が経っても、「元タカラジェンヌとしての誇りとそれを背負い続ける覚悟」が必要なのかもしれません。

さまざまな理由で、宝塚歌劇団を目指す少女たちが今もたくさんの努力を重ねていることと思います。そして、在団している現役生も…。

110周年という歴史を重ねてきて、そこに熱い想いを寄せるファンや憧れる少女たちがたくさんいて、熾烈な受験をくぐり抜け、宝塚歌劇団がやはり今もなお「憧れの園」となっているということはまぎれもない事実。

『清く正しく美しく』

それは、決して目には見えないけれど、たくさんの人たちの努力と思慮と宝塚への愛に支えられているからこそ保たれているのだと思います。

宝塚歌劇団の長い歴史のなかで育まれてきた伝統と革新、それを愛するすべての人たち。色んな考え方があると思うのだけれど、この『清く正しく美しく』=宝塚歌劇団という世界を、宝塚歌劇団にかかわる方たちだけでなく、かかわってきた方たちにも大切に守っていただきたいし、自分も大切に大好きでいたいなぁと思います。

だって、命懸けでこの世界を守ってくれている方たちがいる。この世界を心の拠り所として日々の活力にしている方もいる。そんな、この世界を大切にしている方たちの想いが曇ることのないように…と願います。

…というようなことをふと考えてしまった今日。

やっぱり改めて、素敵で居続けてくれる礼真琴さん、舞空瞳さんに感謝しかない…(/_;)そして、5組それぞれのトップさんたちの姿、スカイステージなどから垣間見られる組子との関係性などに、純粋に心が温かくなれることが有難いなぁ。

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宝塚ファン歴20数年、福岡在住、このブログを運営しているnaomiです。

このブログは、アメブロで2011年に開設した「TAKARA座」を前身として、大好きな宝塚のこと、これまで観劇した作品について語っています。

筆者の詳しい自己紹介はこちら→https://takaraza.com/profile

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