音月桂さんのイメージを変えた!:正塚作品『はじめて愛した』

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宝塚雪組「はじめて愛した」

宝塚で、これまでも異彩を放つ様々な素晴らしい作品を作り上げてこられている正塚晴彦先生の作品。


はじめて愛した(DVD)

私が、正塚作品のなかで特に好きなのがこちら。

2001年 『Practical Joke』 月組(真琴つばさ主演)
2001年 『カナリア』 花組 (匠ひびき主演)

どちらも、何度も何度も観返したとても好きな作品です。

小劇場ならではの「魅せる」芝居と奇想天外な設定、悲しみと幸せが隣り合わせなストーリー。奥深いヒューマンドラマの数々を生み出されています。


「はじめて愛した」も期待が膨らんでいました!

音月桂さんの特集番組で同期の方が、音月さんが演じた役の中で好きな役は?といった質問があった時に「こういう音月もいいなと思いました」 と挙げられていたんですよね。

当時音月さんの作品を全く観た事がなかった私は、とても興味が湧いてしまって…今思えば、音月さん主演作品のなかでも斬新な作品だったんだとわかります。

さて、観た感想は…


「音月桂さん」のイメージが変わった!!

まずはその一言です!私の中で、勝手にさわやか、好青年!!というイメージが強かった音月さん。感情を抑えた、大人の男性の役も 違和感なく演じられていました。


正塚先生らしい、ハードボイルドな作品だけに観ていて明るい気持ちになれる部分はほとんどない。何だか心がぎゅっと潰されるように 切ない気持ちに…

でも最後に少し救われるような場面もあったりしてこれぞ、正塚作品!!という独特の雰囲気がありました。

全体に流れる、現代的な香りとセピア色の舞台。

正塚作品のイメージ色は、私の中で「ブラウン」なのです。 主演する方のメイクやファッションもブラウンを基調としていることが多いように思います。


そして、台詞にも特徴が。 特に娘役さんの台詞が印象的です。

「~かしら」「~なのね」など、おしとやかで女性らしい言葉遣いが多い当時の宝塚作品のなかで、 「~だよ」など、いかにも現代的な語尾。さりげないことですが、それが娘役さんにも「自立」を感じさせて新たな魅力を与えているように感じます。

正塚作品は、宝塚のキラキラとした夢の世界にあって異彩を放つ所以ではないかと思います。


キラキラしていない舞台。
キラキラしていないストーリー。


でも宝塚でしか出せないかっこよさや切なさが満載で魅了されてしまうのです。
不思議な魅力ですよね。

この作品にもその片鱗がそこかしこにちりばめられていて。最後までじっくり観たいと思わせる そんな魅力がありました。

一番好きだった場面は、主人公バードがレイチェルとひと時楽しい時間を過ごすカメラのワンシーン。


別れがすぐそこまで迫っている中このしあわせな時をカメラに閉じ込めようとしているかのように、 楽しそうな、素顔のふたりが印象的。この時、バードが歌う歌も素敵だったな。

この作品を観て、これから音月さんの雪組の作品をいろいろ観てみたいなと感じました。娘役トップ不在、プレお披露目公演だったこの作品。はっきり言ってハッピーミュージカルではないし、お披露目の華やかさもなかった。

でも名実ともに「雪の王子」となった音月さんのお芝居に奥行きを出してくれた、印象的な作品だったと思います。また、ゆっくり観返したいと思います(*^^*)

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宝塚ファン歴20数年、福岡在住、このブログを運営しているnaomiです。

このブログは、アメブロで2011年に開設した「TAKARA座」を前身として、大好きな宝塚のこと、これまで観劇した作品について語っています。

筆者の詳しい自己紹介はこちら→https://takaraza.com/profile

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