星組、衝撃の一夜が明けて。宝塚の「これから」を想う

星組ファン、花組ファン、そして宝塚ファンの皆さまにとって、昨日は衝撃の1日だったのではないでしょうか。私も、なんだか落ち着かない1日でした。そして、今日も冷静に昨日のことを思い返していると色々と想いを巡らせてしまう。

星組の公演中止、そして柚香光さんと星風まどかさんの同時退団…。一気に情報が押し寄せてきて本当に気持ちが落ち着かなかった。

星組が、そして宝塚が大好きだからこそこんな気持ちになるのだと思います。

だから今、率直に思うことを書かせてもらいたいと思います。

目次

2回公演、連日公演の過酷さ

宝塚だけではなく多くの舞台公演にも言えることですが、1日に2回公演、そして連日の公演というのは本当に過酷だな…とこれはもう本当に舞台を観始めた約20数年前から思っていました。

舞台人は鍛え方が違うのだろう

舞台人は、それが当たり前として慣れているのだろう。

舞台演劇を運営していくうえで、公演数というのは減らせないのだろう。

観たいという観客が多ければ多いほど、公演数を増やす方向になるものなのかな。

こんなことを素人ながら考えてきましたが、それでも舞台人も同じ人間。どれだけ鍛えていようと慣れていようと、身体も心もひとつであることには変わりない。

与えられたものをより自分らしく納得のいくものへと昇華し、その身で心で体現し、観客に届けることこそ幸せと感じられる舞台人たち。想いの強さや背負っている責任が重ければ重いほど、「無理」をやり通してしまう伝統が「不可能を可能」に変えてきたのかもしれません。

その姿に感動を元気を勇気をいただくし、本当に尊敬の念も湧き上がる。

でも、反面大好きであればあるほど、身を削るように舞台に立つ人たちへの心配も募る。

これは、今だけのことではなく、これまで長きに渡りたくさんの舞台作品を観てきていつも思うことです。

「恒常的」な舞台演劇の在り方を、大きく変えるという選択肢をとるには弊害がたくさんある。

そのことが、「変化」に対する難しさを生んでいるのかなとも思います。

時代は変化する。人の価値観も変化する

でも、今は2023年。

未曽有の事態が続いている時代。これまでの常識が通用するわけがありません。

同じでいいわけもありません。

現に、社会生活においてリモートワークに違和感がなくなったり、幅広い世代が気軽にスマホを使ってネットショッピングができるようになったり、ITの革新的な発展により利便性が向上したり…。

人の価値観も多様になり、暮らしは急速に大きく変わりました。

住まいへの考え方、住む場所への考え方、余暇の楽しみ方、仕事を含むライフスタイルの充実に対しての考え方…。身近なところでは人やモノとの接触を避けるために、支払いや予約などを非対面でできるツールも続々と開発され実用化されています。

そんなこと、少し前までは考えられなかったこと…。

そして何より、体調管理に対する考え方やメンタルヘルスへの考え方も変化しています。年代を問わず、健康への意識は高まり食生活や睡眠、休養の重要性を意識する方が増えていると感じます。

そのようななかで、宝塚歌劇団が少しずつ変化をしていることも重々承知ですが(ライブ配信の開始や休演日の変更、専科の在り方など…)やはり、宝塚の生徒やスタッフの皆さま、そして宝塚歌劇を心から愛するたくさんの人たちの心と身体を守るために、もう一歩も二歩も「先駆けた対応」が求められているのではないでしょうか。

今、「重要な局面」を迎えていると思えてならないのです。

本当の「リフレッシュ」をするためには?

人が「体を休め心をリフレッシュさせる」のに必要な時間って、ある程度決まっているのかなと最近思います。もちろん、舞台人はルーティンのように公演が続いている方が心も身体もノッてきていい状態が保てるというタイプの方もいるでしょう。

ただ舞台を降りてもオンオフを切り替えられない人、ばしっと切り替える人、自分なりの切り替え方を知っているか知らないかの違いなど、そういうことにもよるかと思うのですが、宝塚歌劇団は1日2公演が多く、しかも週1日の休日というのは、やはり過酷だと誰の目にも映ると思います。

1日2公演あって特に夜公演があった場合は気持ちが高ぶって眠りが浅くならないのかな…。それでも、お休みは週に1回。その貴重なお休みに、ただただぼーっとできる人ばかりではないと思います。

自分自身のメンテナンス、必要不可欠なモノの買い出しなど暮らしに必要なことをこなすだけで終わってしまうことも多々あるでしょう。

そのようななかで、翌日にはまた舞台に立ちアスリートのような激しいダンスや喉を酷使する歌を歌い続け、なおかつ愛のこもった重たい重たい衣装を何度も着替えながら極度の緊張感のなかで「もちうる全ての力」を披露する。

それが幸せと感じられると同時に、「無理をしても気づかない」「気づいていても言えない」ということにつながっていないかな…そんな風に一ファンとして想像してしまうのです。

舞台人が本当のリフレッシュをするためには、どのくらいの時間や日数が必要なのだろう?舞台人が健やかに「この職業」を全うするために、今まさに宝塚歌劇団が検討すべき時がやってきたのかもしれません。

宝塚、フォーエバーで在り続けるために

時代の変化とともに、物価上昇の波にも煽られ舞台を運営していくためのあらゆる費用も莫大になっているであろうことは想像に難くありません。これまでと同様の、もしくはもっと上をいくクオリティを求められ、多様な世代、価値観を持つ観客を前に舵取りしていくことも容易ではないことも承知しています。

ですが、何度も繰り返すようですが宝塚の生徒やスタッフの皆さま、そして宝塚歌劇を心から愛するたくさんの人たちの心と身体の健やかさを守るために、もう一歩も二歩も「先駆けた対応」が求められているのではないでしょうか。

宝塚、フォーエバーで在り続けるために、どうか舞台運営に長けたプロの皆さまの知識や経験、そして何より現状をしっかりと把握したうえで「最前線の声」も受け止め、どうか知恵を絞っていただきたい。

それはきっと、数えきれないほどの多くの人たちが心から愛する宝塚歌劇を守ることにつながる。

そう宝塚ファンのひとりとして信じています。

星組に、宝塚歌劇団に心からのエールを!!!!!!!

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宝塚ファン歴20数年、福岡在住、このブログを運営しているnaomiです。

このブログは、アメブロで2011年に開設した「TAKARA座」を前身として、大好きな宝塚のこと、これまで観劇した作品について語っています。

筆者の詳しい自己紹介はこちら→https://takaraza.com/profile

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