星組公演 『1789 -バスティーユの恋人たち-』のマリー・アントワネット[フランス王妃]は、押しも押されぬ宝塚娘役スター有沙瞳さん(みほちゃん)。先日、「Memories of 有沙瞳」を観てもう本当にガツンときたんですよね。何だろう…、娘役のキャリアとして圧倒的過ぎました。
本当に、退団が惜しい娘役さんです。
有沙瞳の「涙」
この番組を観ていて、みほちゃんのキャリア、実力を思うと本当に退団が惜しくて、寂しさが増しました。みほちゃんについては、いずれゆっくりと綴りたい思いますが、今回はこのなかで一番涙ぐまれていたシーンについて書きたいなと思います。
それは、1789での相手役である「天飛華音さん」について話されていた時のこと…。
私は、食聖の新人公演をされたころ、天飛華音さんのことが好きになったので、かのんちゃんの話題が出たことも嬉しかったのですが、その内容にもうグッときてしまって…(;_;)
みほちゃんが、かのんちゃんのことを語り出すとき涙ぐまれて…。
思えば、愛月ひかるさん主演の「マノン」でヒロインを演じた有沙瞳さん。みほちゃんのお兄さん役がかのんちゃんでした。(役としてはもうどうしようもないところもあったけれど、かのんちゃんの軍服姿や身のこなしなど本当にカッコ良かった♡)
今回、マリーとフェルゼンという間柄で相手役となったかのんちゃんですが、これまでほとんど絡みがなかったのだそう。確かに、言われてみればそうだった…!
みほちゃんはかのんちゃんのことを「あまと」って呼んでいて、それも何だか姉さんな感じでいいね(#^^#)
で、今回初めてくらいにしっかりと絡んで、みほちゃんは「あまとは、お稽古場から公演の最後までものすごく男らしくなった」と感じたんだそう。
そして、かのんちゃんが言った一言に…みほちゃんは思い出し泣きしていました。
天飛:「私、アクセル大好きです…」
かのんちゃんがそう言ってくれた、その言葉が一番の誉め言葉だって大粒の涙を流して嬉しそうにされていたんですよね。
自分が褒めてもらうことも嬉しいけれど、やっぱり男役さんが喜んでくださったり、ファンの方が(みほちゃんが隣に居ることで)その男役さんの新たな魅力を発見できた!と言ってくださることが嬉しい。
そう心からの言葉がこぼれました。
これが、真の有沙瞳という娘役なのでしょう。この言葉に、全てが集約されているように思いました。宝塚人生最後の相手役が学年の離れた下級生スターであったこと、とても意味のあることだと感じました。
有沙瞳、娘役としての「最後の務め」
この番組を観ていると、もうトップ娘役と見紛うごとく煌めく経歴と華やかさ、確かな実力で本当に素晴らしい娘役さんだと思いました。
特に「龍の宮物語」の玉姫、「王家に捧ぐ歌」のアムネリス、今回のマリー・アントワネット。孤独で高貴なお役は有沙瞳の真骨頂、そしてみほちゃんにとって挑戦だったロミジュリの乳母は俳優魂を観た!と思った。
娘役としてもう全てをやり尽くした…そう言っても過言ではないくらい輝かしい舞台歴を持つ有沙瞳さん。ですが、そんなみほちゃんんでも一つだけやり残したことがあったのではないか…。
それが、次世代を担う男役スターを「育てる」立場で相手役を務めることかもしれません。
そう、あの時の音波みのりさんが礼真琴さんを育てたように(こっちゃんが仰ってましたよね、はるこさんに礼真琴は育てていただいたと…)
今度は有沙瞳さんが天飛華音さんを「育てる」。これこそが娘役、「有沙瞳の最後の務め」なのかもしれません。
これは本当に星組の系譜を感じてグッとくるし、今の有沙さんにしかできないことだと思います。
天飛華音「有沙瞳の最後の相手役」という意味
下級生時代から抜擢が続いていた有沙瞳さん。作品を通して組んだ相手役さんも錚々たる方たち…!
轟悠さん、月城かなとさん、礼真琴さん、愛月ひかるさん、瀬央ゆりあさんなど、本当にすごすぎる!!
娘役としてやり尽くしたほどに充実したお役の遍歴、相手役さんの遍歴。そんなみほちゃんの最後のお相手がかのんちゃんだったのです…!これは、本当に意味のあることだなぁとしみじみ感じています。
偉大な上級生たちの胸を借りて、思いきり飛び込んでいったヒロイン時代。数々の試練と充実した経験を経て、みほちゃんはついに「若手に胸を貸す」側になったということです。
もちろん、みほちゃんのお話ぶりからそのような意識は全くなく謙虚な方ですが、かのんちゃんファンの私からすると「偉大な娘役スターの胸を借りて、かのんちゃんは今思いきり男役を楽しんでいるんだろうなぁ( ;∀;)みほちゃんからこんなに近くで学べるかのんちゃんは男役として幸せ者だなぁ…」なんて思って嬉しさもありました。
それと同時に、このような貴重な機会を与えられた天飛華音さんは、次世代の男役スターとして未来が託されているのかもしれないな、と自然に感じられました。
「娘役・有沙瞳」の輝きを目に焼き付けて…
礼真琴さんと有沙瞳さんは、持ち味は全く違うかもしれませんが、少し似ているなといつも思います。役に、男役、娘役に対してストイックで、実力派。それだけではなくチャーミング。小柄でありながら、舞台上では誰よりも存在感を放つ。だからこそ、みほちゃんはこっちゃんに寄り添うよりも、「王家に捧ぐ歌」や「1789」のように「対峙」するのが抜群に似合う。
礼真琴に寄り添い、輝くのが誰よりも似合うのが「舞空瞳」なら、対峙して輝くのが最も似合うのは「有沙瞳」。
舞空瞳さんファン、そしてことなこファンの私でもそう強く感じます。こっちゃんと役の上で「対峙」しても全く引けを取らない娘役は、有沙瞳ただ一人。
だからこそ、星組版1789は有沙瞳という娘役なくしては成り立たなかったし、みほちゃんの花道としてこれ以上ないくらいに素晴らしいものだと思います。
東京公演もスタートし、早くも1ヵ月をきる公演期間に…。その美しさ、その娘役に対する真摯な姿、そして娘役としての輝きを、画面越しにはなりますが、目に心にしっかりと焼き付けたいと思います。
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