私自身もですが、宝塚も怒涛の年末年始でした。あれよあれよという間に2月になり、ようやく2023年初の更新です!本年も、TAKARA座をとおして、宝塚を愛する皆さまと交流できましたら嬉しいです(*^^*)
どうぞ、よろしくお願いいたします!
年末年始の怒涛のニュース
年末年始は、本当に星組ファンにとって、そして宝塚を愛する皆さまにとっても本当に気の休まらない日々だったと思います。かくいう私も、目を疑うような記事や水美舞斗さんの専科異動、そして東京星組公演の休演など本当に気持ちがざわざわする日々でした。
年末のニュースについては、これまで感じたことがないほどの怒りや戸惑いもありましたが、その後の宝塚歌劇団の対応で少し気持ちを落ち着かせ、新年を迎えたところですぐに星組の休演のニュース…。その後も今度はジェンヌさんたちに焦点を当てた記事が立て続けに…。
ネットを中心に宝塚ファンの心がざわざわするような情報が拡散され、気持ちの持っていきどころが難しい日々ですよね…。ルーチェくんが言うように、「真実は、いつもひとつ!!!」と信じていますが…。
ですが、スカイステージではクリスマス特番やお正月特番などで大好きな星組トップコンビをはじめ、ジェンヌの皆さまが楽しそうに、ハッピーを振りまいてくださっていることに笑顔になれました!
本当に、宝塚は心の栄養だな~と感じる日々です(*^^*)
さまざまなことがあるなかでも、こうして笑顔や夢やときめきを常に絶やさずにいてくれるジェンヌさんたちに、そして愛ある演出家の先生やスタッフの皆さまに感謝するとともに心からエールを送ります!
ディミトリ、ジャガービートの組み合わせ…私は凄く好き!!!
星組公演、『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』と『JAGUAR BEAT-ジャガービート-』の宝塚大劇場公演千秋楽のライブ配信と、『JAGUAR BEAT-ジャガービート-』のNHKBSプレミアム新春特番を視聴しました!あまりにも世界観が違い過ぎる2作品のため賛否両論あるかと思うのですが、私はやはりこの組み合わせは好きです(*^^*)ディミトリの余韻には浸れませんが( ;∀;)、ジャガービートはジャガービートで突き抜けた世界観なので、私は好きやな~(*^^*)
今回は、ディミトリのことから語らせてください!
ディミトリの繊細で美しく、新たな星組の扉を確実に開いたと思える壮大なストーリーは、本当に見応えがあり感動的な作品(;_;)なんてったって、「今の」ことなこにぴったりだし、お衣装は荘厳で美しいし、音楽も重厚感があり素敵で…!特に幕開けのディミトリの曲、いきなりじーんときます!
皆さんのものすごくいい!!という前評判をもってしても、その上をいく素晴らしさ!!( ;∀;)
どのお役にもしっかりと血が通っていて、どのお役も太く深く、この世界観を表現されていましたね。
礼真琴さん(こっちゃん)
ディミトリは、夫であり父親であり、王配であり…さらに物語の随所に、その生い立ちや背負うものが描かれ、本当に繊細なお役だと思いました。でもその全てが丁寧に作り込まれており、こっちゃんのお芝居心の豊かさや深さを感じました。
練習を重ねたというダンスもキレがありながら、いい意味で人間離れしたような精巧さがあり本当に素敵!楽曲もいいのでこっちゃんの伸びやかな歌声がより活き、感動を誘います。
何より、特に印象に残ったのが、これまでにない大人の雰囲気と「ハンサム」なこっちゃんのヘアメイク。彫が深く淡い色合いでまとめられたメイクは、品の良さが際立っていてまさに「ハンサム」な男役さんでした(*^^*)
こっちゃんは、どちらかというと可愛い系男役さんだと思いますし、いつまでも瑞々しく若々しい雰囲気が魅力だと思うのですが、ここにきてついに「大人のハンサムな男役」にも進化(*^^*)豪華な衣装に負けないどっしりとした頼もしさにきゅんときました。
宝塚の男役さんは、「イケメン」なだけじゃなく、やっぱり品ある「ハンサム」であってほしい。
そんな私の勝手な願望をかなえてくれる、素敵なディミトリでした(*^^*)もしかすると、もう少し若い時に観ていたら、すべてが「優しさ」でできているようなディミトリをここまでいいなって思えなかったかもしれない。でも今この年齢になると、本当にディミトリの在り方は泣けるし、本当の勇気のカタチって何だろうってしみじみ考えさせられます。
こっちゃんディミトリ、本当に素敵…!でも、やっぱりハッピーエンドという道はなかったのかなと…。こっちゃんのこわごわと、でも愛おしそうに宝物のように赤ちゃんを抱きかかえるところ、観てるだけで泣けた…(;_;)ディミトリとルスダン、そして子供たちのしあわせな家族の姿が続いたなら…と思い浮かべると、じわりと泣けてきます。
舞空瞳さん(なこちゃん)
女王の風格が違和感なく表現され、でも少女時代は可愛らしさが満点で、そのメリハリがとてもよかったです。なこちゃんのお芝居力の高さが遺憾なく発揮されていて、見応えがありました( ;∀;)
こんななこちゃんもいたのか!と驚かされるばかりの迫力。重厚感のあるお衣装もきちんときこなし、品があるし、美しいし、そしてかっこいいしで、なこちゃんファンとしてはぐっとくるものがありました(#^^#)
でも、これはストーリー展開なので役作りがどうこうとかではないのですが…。どうしてもね…、あの「誤解」からのディミトリへの対応は悲しいなと思います。どうしてもっと話を聞いてあげなかったのか、なぜ「裏切り」と即時に決めつけてしまったのか、これまでのディミトリとの絆をしっかりと表現されていただけに、少し違和感が残りました。
ラストにはやはり、ディミトリの真意がわかるのですが、それでももう手遅れだった…。
国政に全く関わるつもりのなかったルスダンは、突如として女王となったことでしっかりと国を治めなければ!!!とそのことで精いっぱいだったのだろう、ということはなこちゃんの迫真のお芝居からひしひし伝わってきました(;_;)
だからこそ、ディミトリとの絆だけが頼りだった。裏切りを感じた瞬間、もう耐えられず絶望的な気持ちになり、「もうどうにでもなってしまえ!!!」と思ってしまったのだろうと…。そんななこちゃんの哀しさが滲むルスダンでした。
ラストに向かい、やっぱり愛しているディミトリに対して心が大きく揺さぶられ、「ディミトリとともに生きていきたい」という渇望を抑え込む様子が観ていて辛かった。女王としてではなく、ひとりの女性としてディミトリの帰りを誰よりも望んでいるさまが、痛いほど伝わってきて泣けました。
なこちゃんは、この作品で何段階も階段を上がったのではないかなと思います。それくらい、大きなお役だしルスダンの存在感がしっかりとしていなければ、いくらディミトリが素敵でもこの作品が本当の意味で輝かないと思うんです。
今のことなこだからこそできた、素晴らしい作品だと思います。
キャストそれぞれが、適任すぎてさらに泣く(;_;)
この作品で、花組へ組替えになる綺城ひか理さん、あかさんも特に印象に残りました。あの慈悲深く聡明な雰囲気、ディミトリに「本物の勇気を教えてやる」と戦場に向かい勇ましく戦うさま、すべてにこれまでのあかさんには感じなかった、一段上の「雄々しさ」をギオルギに感じてとても素敵でした。
ギオルギの相手役には、バテシバ役の有沙瞳さん(みほさん)。登場シーンこそ少なかったですが、本当に素晴らしい「俳優さん」だと思いました。特に印象に残っているのは、ルスダンに「嫌い!!」と言われて「どうして?」と聞き返すその台詞の言い方。強い女性を演じるのがとても上手なみほさんなので、バテシバもその路線なのかな?と想像していましたが、まったく違っていました。いい意味で…。
ルスダンに何とかわかってほしい、手を取り合いたいと思っているのに伝わらないもどかしさが悲しいほど伝わってくる、そんな「どうして?」でした。あの「どうして?」という台詞ひとつで、どれほどギオルギを愛しているか、嫌い!と言われてもルスダンと分かり合いたかったという気持ちが滲み出ていて泣けました。(泣いてばっかり(;_;))本当に素晴らしい、星組に宝塚になくてはならないスターさんです。
ジャラルッディーン役の瀬央 ゆりあさん(せおっち)は、短い時間に存在感を発揮しなければならない大変なお役だったと思います。せおっちの持ち味であるお芝居の繊細さが凝縮していたからこそ、ここに至るまでのストーリーが舞台上でほとんど語られていなくても説得力があったのだと思います。
オフトークで、「覇王感」「圧倒的な帝王感」といったものをめざして…というようなお話を聞きましたが、そういった大きさを表現しつつも、やはりせおっちの人の良さや温かさが滲んでいてそれがこのお役にぴったり。お髭もよく似合っていて、お衣装の着こなしも美しいし、説明不要にとにかく頼もしいしで、こっちゃんが包まれるような構図になっても安心感に溢れていました。ラストシーンは、本当に泣けたよね…(;_;)
ジャラルッディーンの「あの一言」に、ディミトリも、観ている私たちも救われたと思います。その一言を、説得力を持って、ジャラルッディーンの大きな懐と慈悲深さを表現できたのは、今の星組でせおっちただ一人だと思います。
この作品から本格的に星組にデビューした暁千星さん(ありちゃん)。もう、「存在感」抜群だったよね(*’▽’)凄味のあるお芝居も声色の迫力も素晴らしくて、何より星組に驚くほどなじんでいたことも印象的でした!ありちゃんがびしっと締めてくれるからこそ、この作品のコントラストがはっきりとして、よりドラマティックに感じられたのだと思います。
ほかにも、物乞いのちぐさんの迫真のお芝居(舞台上の温度がぐぐぐーっと下がったかと思うくらいひんやりと感じられる、世界観をがらりと変える素晴らしいお芝居!)、リラの精の小桜、瑠璃、詩の三姉妹のようなバランスのよさ、清らかさと美しさを感じる舞と歌声もこの作品になくてはならないものでしたね。どこか金色の砂漠の明日海さんを思わせる、ミヘイル役の極美さん。豪華な衣装に身を包んでいなくても、やっぱり圧倒的キラキラ感は健在でした。ここで紹介しきれなかったジェンヌさんも、皆さん血の通った素晴らしい役作りでした!!
演出家の「愛」とは?
オフトークや歌劇、宝塚GRAPHなどで、ジェンヌさんたちからよく聞いたり見たりする言葉があります。それは「演出家の先生の愛」という言葉。
演出家の「愛」、愛ある演出家ってどんな方のことを言うのでしょう。
私は、こう思うんです。
「この生徒が『一番輝く役』は何だろう?」
そう思いながら、制作過程から生徒たちの顔や声や表情やそれぞれの性格などを思い浮かべながら総合的に作品を構築できる演出家。
だって、宝塚は総合芸術。どのジャンルの演劇よりも、よりそれを感じるのが宝塚です。
その中心に居るのは、演出家が描き出す世界観を忠実に、時に増幅させて具現化できるタカラジェンヌ。まぎれもなく、彼女たちが居るからこそ、たゆまぬ努力をして舞台に立ってくれるからこそ作品は世に出ていきます。
だからこそ、その「タカラジェンヌ」をそして関わるスタッフを心から大切に思える人こそが、真の「宝塚の演出家」だと思うのです。
生田先生の『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』には、その愛を想いをひしひしと感じました。誰一人、「なんか違うな?」と感じるジェンヌさんはいなかった。それは、作品に役に合わせて星組のジェンヌさんたちが努力をし近づけていった結果かもしれない。でも、やっぱり演出家がジェンヌの個性に合わせて役を構築していった結果でもあると思うのです。
それを強く感じたのが、天華さんが宝塚番組で話されていたこと。
「生田先生が、アン・ナサウィーの台詞は天華さんの声で聞こえてきたんですよね。」とおっしゃったのだそう。
これこそ、演出家の愛でしょう!執筆しながら、その文字がすっと浮かび上がり生徒の声に変換されて聞こえてくる…きっと生田先生は、いつもこんな風に想像力を膨らませながら、ジェンヌさんの個性と融合させて作品を書きあげられているんだろうなぁと感動したエピソードです。
生田先生の「ミライ演出家」がとてもよくて、演出家の先生にもまたジェンヌさんとは違う宝塚の世界があり、葛藤しながら素晴らしい作品を創り上げているんだなと感じました。
こういう素敵な演出家さんがいてくれる宝塚、素晴らしいじゃないか!
演出家とタカラジェンヌ、先生と生徒かもしれないけれど、作品をつくる仲間としてある意味で対等に、そしてリスペクトし合いながら生み出していく舞台は素晴らしいに決まっている!
私は、ずっとそう信じています。
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