映画『国宝』を観て、改めて「宝塚」を想う

映画国宝

映画「国宝」を観てきました。

情報がリリースされた時から、必ず観たいと思っていた作品。

観終わった後、エンドロールが流れ終わってもしばらく、立ち上がれないような…

本当に、心から観て良かったと思える作品でした。

舞台を愛する自分にとって、歌舞伎も例外ではなく…

改めて日本の伝統文化として「歌舞伎」が受け継がれていることの尊さに、心が震えました。

ですが、その裏側にはどれだけの想いが渦巻き、宿っているのか…

そして、この作品では連綿と続いてきた「歌舞伎の世界」を描いていますが、宝塚ファンとしては「宝塚歌劇」の舞台のことも深く考えさせられました。

※ここから、ほんの少しですが映画の内容に触れる部分があります。

ほんの少しネタバレになりますが…

主演が急遽舞台に立てなくなり、代役を立てることになった時のシーン。

それだけではなく、厳しい鍛錬の日々、自身の心情や体調、そして芸の道の果てしなさ…

きっと、大好きな礼真琴さんも、あの時の暁千星さんも、そしてタカラジェンヌの皆さんも…

近しい想いをされたことがあるのかもしれない…

そう思うと、いつも本当に幸せな気持ちをくれる舞台という世界が、どれほどの犠牲と想いに支えられているのかを感じています。

この映画にかかわったすべての皆様に、心から感謝します。

とりわけ、吉沢亮さん、横浜流星さん、そして渡辺謙さん、田中泯さんの姿、言葉、全てが演じているとは思えないほどのリアリティに溢れていました。永瀬正敏さんの迫真の「あのシーン」に、圧倒されました。

そして歌舞伎指導にあたられた、中村鴈治郎さん。

ご出演もされていましたが、この作品の歌舞伎指導だなんて、なんというプレッシャーだったことでしょう。(プログラムのインタビューからも伝わってきました…)
映画でも描かれた涙が溢れた「曽根崎心中」、翫雀さん時代に拝見していたため感慨深かったです。

そして「鷺娘」

坂東玉三郎さんの「鷺娘」が今でも、忘れられません。

あの時に感じた、言葉にならない感情…そして、ただただ涙が溢れてきたこと…

劇中の渾身の「鷺娘」を観て、あの時の事を思い出しました…。

全体を通して、「現実の歌舞伎界ではあり得ないであろう…」そういった描写、ストーリーも含まれますが、それに違和感を覚えませんでした。それは、この作品が描きたかったこと、そして伝えたかったことが「明確」だったからだと私は受け取っています。
そういった部分も、プログラムを読んで余計に腑に落ちました。(特に、歌舞伎界で育った寺島しのぶさん、また歌舞伎役者である中村鴈治郎さんの解釈や、この作品への想いを読んでそう感じました)

感想は尽きませんが、ネタバレをしてはならないのでこの辺で…

1つ、現実的な問題として、書かせてください!

まず、作品は約3時間と長いです。(ですが、心情的には長さを全く感じませんでした)もちろん、舞台作品のように途中休憩はありません。

私は、1回だけ途中でお化粧室に立ちましたが、すぐに戻ったので集中力が切れることはありませんでした。(我慢はやはり禁物!)

何人もの方がそうされていましたが、皆さん舞台慣れしている方も多かったように思います。

全く視界を遮られることなくストレスもありませんでした。

なので、もし心配な方は通路側や出入り口近くなど、移動しやすい座席選びをおすすめします!(お化粧室が近いスクリーンだとラッキーですね)

…と、現実的なことを書いて、今回の記事を締めます( *´艸`)

端的に言うと、TAKARA座naomi的には、宝塚ファンの方の中でも「舞台の世界を愛する」方にとっては、きっと刺さる作品ではないかと思います。

本気で、映画チケット価格が1000円台なことに、心底申し訳なさを感じたくらい。(あとプログラム1,100円は、写真も美しいですし、とても読み応えがあるのでおすすめ!)

観た方の感想を語り合いたい気分です(*^-^*)

決して明るく楽しく、ワクワクする…といったものではありませんが、不思議と観た後、清々しさが残ったのが自分でも不思議です。

私自身は、心から素晴らしいと感じた、心に深く残る作品でした。

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宝塚ファン歴20数年、福岡在住、このブログを運営しているnaomiです。

このブログは、アメブロで2011年に開設した「TAKARA座」を前身として、大好きな宝塚のこと、これまで観劇した作品について語っています。

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