宝塚×万博アンバサダー|幻となった「任」と、今なお続く5人の物語

2025年大阪・関西万博に向けて、宝塚歌劇団の若手スターたちが“アンバサダー”として選ばれたこと、宝塚ファンにとって記憶に新しいですね。

発表は、遡って2020年2月でした。
当時、未来の宝塚を担うであろうスターたちが、各組から1名ずつ選ばれ、華々しく紹介されたんですよね。

  • 花組:聖乃あすかさん
  • 月組:風間柚乃さん
  • 雪組:縣千さん
  • 星組:極美慎さん
  • 宙組:風色日向さん

当時の若手スターが日本の、そして宝塚の顔として万博を盛り上げる——それは夢のような話でした。
しかし、その「夢」は、残念ながら私たちの前に現れることなく、静かに消えていったのです。

目次

未来への架け橋だった、はずのアンバサダー就任

5人の就任が発表された当時、ファンの間には期待があふれていましたね。

万博がどんなものになるのか、まだわからない状況でしたが、少なくともアンバサダーが5人も選出されたことに高揚した方も多かったのではないでしょうか。

当時は、美しいだけでなくそれぞれに個性があり、何より宝塚の未来を明るく導いてくれそうな面々が選ばれたなぁと思いました。

彼らが世界に向けて宝塚の魅力を発信する姿を、宝塚ファンの誰もが思い描いたはずです。

ですが、発表後に行われたのは結局、メッセージ動画などの限定的な広報活動や、カザマさんが出演されたJR大阪駅 大阪ステーションシティ 時空(とき)の広場での、宝塚歌劇団とのコラボレーション商品発売記念イベントくらいでしょうか。(ミャクミャクに優しい、カザマさんの姿に何だかきゅんとしました)

そっと凍結されたままのプロジェクト


そして2023年、宙組をめぐるさまざまな出来事をきっかけに…

宝塚歌劇全体で体制が一時的に不安定となり、社会的な宝塚歌劇への目も大変厳しいものとなり、外部向けの華やかな活動は当然、見送られる流れとなりました。

結果として、アンバサダーの5人が再び「その任」として表舞台に立つことはなく、宝塚歌劇団から活動停止が発表されました。

幻となったアンバサダー、その意味を改めて考える

大阪万博が開幕した現在。

OG公演は行われているものの、現役タカラジェンヌはこのプロジェクトにかかわっていないようですね。

アンバサダー制度は、当時、宝塚の未来像を象徴する試みだったのかもしれません。

劇団期待の次世代スターたちが、万博という世界に開かれた場を通じて「日本文化の顔」のひとつとして活躍する未来…。

当初思い描かれていた活動の形には至りませんでしたが…

アンバサダーに選ばれた5人は、今改めて思い返せばそれぞれの場所で確かに進化を続けています。

聖乃あすかさん(花組)

東上主演も重ね、いまや永久輝せあさんを支える「2番手スター」に一番近い存在。
その気品ある佇まいと、殻を破ったお芝居の奥行き、早くから抜擢され期待をかけられてきた花男ですね。

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風間柚乃さん(月組)

芝居巧者で、堂々たる月組の2番手として躍進を続けるカザマさん。
上級生の前では弟的な可愛さも感じられましたが、最近では頼れるお兄さんのような雰囲気と、作品を引き締める芯のある芝居が魅力ですね。

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縣千さん(雪組)

ダンスも芝居も進化を続け、頼もしさが増した雪組の御曹司。
明るく朗らかなキャラクターが舞台にもにじみ出ていますが、同時に雪組の未来を担う貫禄が少しずつ感じられます。

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極美慎さん(星組)

正統派二枚目の華やかさに加え、『にぎたつの海に月出ず』主演で表現者としてのステップアップを遂げた極美くん。
礼真琴さん退団後の星組体制で活躍して欲しかったけれど、新天地である花組でどのように躍進するか、今後の活躍から目が離せません。

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風色日向さん(宙組)

逆風の中でも、着実に歩みを進めている印象の風色さん。
ハスキーな声音や包容力が魅力で、これからどんな色にも染まっていけそうな将来性を感じます。

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きっとこれは、“終わり”ではなく“始まり”

宝塚の歴史の中で大きな出来事、そして転換期である今。

このアンバサダーの5人が、これから舞台の上でどんな“未来”を描いていくのか、やはり注目が集まるでしょう。

2025年、万博の年。

これから、この5人がそれぞれの舞台で、組を越えてどれだけ大きく羽ばたいていけるのか…

未来は幻ではなく、きっと彼ら自身が“つくっていく”ものだと信じています。

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宝塚ファン歴20数年、福岡在住、このブログを運営しているnaomiです。

このブログは、アメブロで2011年に開設した「TAKARA座」を前身として、大好きな宝塚のこと、これまで観劇した作品について語っています。

筆者の詳しい自己紹介はこちら→https://takaraza.com/profile

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