花組のバウホール公演『儚き星の照らす海の果てに』の配役が発表されました。
宙組に組替えが決定した、花組の二葉ゆゆさん(103期)がヒロインに抜擢されましたね。
新人公演のヒロインを務められたことはなかったと記憶していますが、組替え後、宙組で活躍していかれる、よいステップアップの機会となるのでしょう。
ヒロインという貴重な経験ですが、課題を乗り越えつつも舞台を楽しんでほしいですね。
この二葉ゆゆさんのヒロイン抜擢で、以前からずっと感じていたことが、私の中で改めてはっきりと輪郭を帯びてきました。
それは…
「娘役2番手」が実力と華ともに充実した組ほど、やっぱり面白い(観応えがある)ということ。

好みはあると思いますが、どの時代にも「ヒロインもできるし、脇でも超頼もしい」素敵な娘役さんがいらっしゃいましたね。
近年でパッと思い出されるのは、有沙瞳さん。
小劇場公演などでヒロインを総なめし、本公演でもヒロインに匹敵するほどの大きなお役を演じられた娘役さんです。
娘役2番手で、有沙さんほど充実したキャリアを積んだ方はいらっしゃらないのでは…というほど、活躍された方。退団が近づくにつれ、「王家に捧ぐ歌」のアムネリス、「1789」のマリー・アントワネットなど、これ以上ないくらいの餞となるお役の連続でした。でもそれは、それらの大きなお役をしっかりと務められるだけのお芝居力、歌の実力と宝塚歌劇においてとても重要な華がある方だったから…という納得感もありました。

さらに遡ると、音波みのりさんも、小劇場などでヒロイン経験も豊富な方。礼真琴さんの全国ツアー公演で、上級生でありながらヒロインを務められたことは、はるこさんにとっても夢のような出来事だったと話されていましたね。舞台上に居るだけで華が凄く、どうしたって目がいってしまう華のある娘役らしい方でした。

宙組の伶美うららさんも、素敵な娘役さんでした。美貌と深淵な雰囲気を持つ舞台姿。「神々の土地」で魅せた渾身の「大公妃イリナ(イレーネ)」のお芝居、そして舞台姿は、今でも忘れられない程に、美しく素敵だった。伶美さんが男役さんのお隣に立たれるだけで、さらにその男役さんが上質で素敵に見えると思えるくらい、華のある方でした。


宝塚歌劇の世界において男役さんはトップスターから3番手、4番手くらいまで、明確に「序列」がある程度はっきりとわかり、階段を上っていかれる様も追いかけやすいもの。
ですが、娘役さんはトップ娘役以下、娘役2番手・3番手さえもあやふやであったり、別格路線とされることも多くなかなか組内での「推しだし」がわかりづらいと感じます。
たくさんの娘役さんにチャンスが広がることは、とっても素敵なことだし、どうしても男役さんとの「並び」をとても重要視する宝塚においては、「いつどこでどんなチャンスが巡って来るかわからない」という側面もあるでしょう。
何ていうのかな…とても「贅沢な舞台を観せてもらっている」と感じるのです。
で、タイトルの「「娘2」が充実した組は、最強|ヒロイン候補大渋滞の理由」
詩ちづるさんや音彩唯さんなど、現在の宝塚でもヒロインに抜擢され続けている方もいらっしゃいますが、以前に比べると比較的幅広く、さまざまな方が新公ヒロインや小劇場ヒロインなどを務められている印象です。
これはトップ娘役候補の「幅を広げる」だけでなく、組力を大きく左右するであろう「娘2」「娘3」を強固にしていくための伏線なのでは…と思えてなりません。
第二の「有沙瞳クラス」の娘役さんを生み出したい想いもあるのでしょう。
トップ娘役というたった1つの椅子。
その座につくことは、人気や実力だけではなく、トップスターさんとのヴィジュアルや持ち味の相性や並び、そして何より「タイミング」も大きく左右することは、これまでの多くの例から感じてきました。
そういう背景もあり、新時代を迎えようとしている宝塚歌劇において、ヒロインとしての実力・華ともに未知数の娘役さんにもチャンスを広げ、その魅力の種に水を注いでいる段階なのかもしれません。
宝塚歌劇の魅力の主柱である男役さんが素敵なだけでなく、決して華を添えるだけの存在ではなく「娘役さんも、個性を発揮して輝いている組」は最強だなと感じます。
これからも、多くの娘役さんがご自身の魅力を開花できる環境がありますようにと、願っています。
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