宙組の千秋楽が、タカラヅカニュースで放映されましたね。
昨日書いた、今の正直な気持ち…。
誰がどうとか、そういう端的なことではなくて…宝塚の一ファンとしてどんな気持ちで、どんな言葉を綴ったらよいのかわからない…というのが今の正直な気持ちです。
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映像を観ても、やはり言葉にならない感情が渦巻いて…。
それぞれに、積み重ねてきた努力も絆も、想いもあるでしょう。
それでも…
宝塚歌劇の映像を観て、こういう何とも言葉にし難い複雑な気持ちを抱くことがあるなんて…ととても残念ですが、どうしても一連の出来事を切り離して観れなくなってしまったのは、しかたのないことです。
いつかまた、どの組であっても「複雑な感情を抱かずに」観られる時がくるのだろうか…。

私は、星組ファン。
そして礼真琴さんのファンなので、やっぱり95期に特に思い入れもあるし、大好きです。
95期が集まった時の、あの心が躍るようなワクワク感や、個性が被らず尊重し合う姿、そして無邪気に楽しむ姿を観ているだけで心が温かくなります。
そんな95期の中でも、飛びぬけて落ち着いていて、大人の雰囲気を持っていた方。
それは、月城かなとさん(れいこさん)ではないでしょうか。
言わずと知れた、元月組トップスターで、「芝居の月組」を体現したような香り立つような美しい男役さんでした。
れいこさんは、退団後コンサートをされましたが、まだ本格的に舞台作品などには挑戦されていないようですね。
ですが、先日NHKの「演芸図鑑」という番組にご出演されていました。映像で観られて嬉しい!
宝塚歌劇を、そしてれいこさんのことをよくご存じの林家正蔵さんとの対談だったんです。
この時の、れいこさんのお話がとってもよくって。
放送を楽しみにご覧になる方もいらっしゃると思うので、詳しくは語りませんが…
れいこさんが、退団後宝塚歌劇をどんな気持ちで観ていらっしゃるのか。
宝塚歌劇に対して、今思われることを真っ直ぐな瞳で、真っ直ぐな想いで語ってくださっていました。
れいこさんの、真摯で温かくて、それでいて柔らかいのに芯があるお話しぶりに何だか感動してしまった(;_;)なんだか、ほっとするというか…。
れいこさんのお話のなかで、印象的だったのはこんなこと。
お客さんだった頃の自分に戻れた。でも、そこに居たということも、事実で…こうやって自分の居場所が故郷が、キラキラした世界がずっとここにあってくれる安心感があると…。
きっと、トップスターに上りつめるまでに様々な経験をしてこられていると思いますが、それでも「人のために動ける人が素敵だな」とずっと思っていたれいこさん。
男役で学んだことは何ですか?という退団時の質問に、こう答えたのだそう。
自分以外の者を演じる、大勢で舞台を創ることで学んだこと。
それは…
自分自身のことではなくて、自分以外の人をどれだけ大切に思えるか、を宝塚で一番学んだと…
あぁ、この方は本当に心の底からこう思っていらっしゃるんだな、宝塚ってそういう場所なんだなと、心にすっと沁みわたってきました。
今、宝塚歌劇に向けられる目は、依然として厳しい部分もあると思います。
宝塚OGも、どこまでご自身の故郷宝塚歌劇団について語ってよいのか、迷われることもあるでしょう。
それでも、れいこさんは真っ直ぐな瞳で、「ご自身が過ごした宝塚」を柔らかな空気を纏いながらお話しされていました。
決して大袈裟に宝塚を持ち上げるでもなく、かといって臆することもなく、とても自然な様子で。そんなれいこさんから、どれだけ宝塚という場所が大切なのかが伝わってきました。
そして、その瞳の先に鳳月杏さんをはじめ、今の月組生の姿が見えるようだった…。
きっと、この番組をご覧になった宝塚ファンではない方も、宝塚歌劇に対する印象が少し変わったかもしれません。
こういう側面もあるのだなぁ、こういう方も居るのだなぁと…。
この時のれいこさんを観て、すごく思った。
「あなたに、あなたが居た宝塚歌劇のことを、これからもほんの少しでもいいから語ってほしい」と…
もちろん、れいこさんが「宝塚のことを話したい」と思われたらですが…
れいこさんのお人柄が滲む厳選された言葉の数々は、きっと宝塚ファンはもちろん、宝塚をあまりご存じない方の心にもにも、すっと届くのではないかなと感じています。
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