あの日の、舞空瞳さん。

昨年の10月、宝塚の時が止まり、心が落ち着かない日々だった頃…

博多座では、星組公演「ミー&マイガール」が開幕しました。

私は、大好きな舞空瞳さんが、地元博多座に来てくれることが嬉しくてたまらなくて、早い時期からチケットを準備してこの時を待っていたんです。

自粛期間もあり、ずっと観劇自体を控えていた数年間…。

ついに、観劇を再開しよう!そして、そのはじまりは、大好きな舞空瞳さんを地元で観たい…!その気持ち一筋に、この時を待っていました。

そんな時、信じられないようなことが起こった…。

この出来事があり、宝塚歌劇を観劇すること自体を躊躇しなかった…と言ったら、嘘になります。観に行っていいものか、何度も何度も悩み、一度は足を運べないかもしれない…とも思いました。

指折り数えて心から楽しみにしていた公演だったけれど、まず幕は開くのか、開いたとしても自分はどんな気持ちで舞台を見つめるのだろう…。見つめることはできるだろうか…。

色んな気持ちが渦巻いた。

でも、やっぱり、なこちゃんに会いたい、星組とマイティに会いたい、そしてその姿に心からの拍手を送りたい。その気持ち一心で、博多座に向かいました。

その結果…

私は、やっぱり此処にきて良かったと思わせてくれた。

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2パターンとも、オペラがいらないほどに近い距離で観劇できたことは幸せなことでした。

星組生とマイティは、それぞれのお役を全力で演じ切り本当に素晴らしかった。

でも、やっぱりあの時、強烈に輝いていたのは、舞空瞳さんでした。

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マイティとありちゃんの役替わりで、2パターンのミーマイ。

それを、中心軸となってブレずに真っ直ぐ立ち続けた、舞空瞳さん。

ビルを演じたマイティとありちゃんそれぞれの空気感、間合い、そしてアドリブ、ちょっとしたミスにも落ち着いて対応して…客席を煽るような圧巻のランベスウォーク!フィナーレの問答無用の最強ダルマ、ロケット、そして2パターンのデュエットダンスまで…。

本当に、舞台人として圧巻の姿でした。

なこちゃんが、「顎で受けなさい」を歌った時、きちんとサリーで居ながらも、その背景に「舞空瞳」が一瞬滲んだんです。

宝塚で起こった信じられないような出来事を、その辛い想いをこの歌にのせて…。

今にも泣きだしそうになりながら、いつものお芝居をするなこちゃんとは違う表情で歌っていた。

あの、役に没入しただけでは滲み出ない、なこちゃんの表情。

ずっとずっと、忘れられません。

どんな想いで、今、この舞台に立っているのだろう。

なこちゃんが憧れたサリー。でも、このお役を演じていた時期、幸せだけではなかったことは、誰もかわかる。

それでも、こんなにも辛い状況の中、貴方は必死に、1日も休むことなく博多座の舞台の「真ん中」に立ってくれていた。

私は、そんな舞空瞳さんの姿を見て、あぁ、やっぱり宝塚の舞台が、此処が好きだと思った。

連日満席の博多座でした。

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なこちゃんが、あの時の博多座「ミーマイ」で、充実感が溢れて卒業を意識したことを退団会見で語ってくれた時…

物凄く悲しくて辛かったけれど、同時に心の隅では、とても納得したんです。

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だって、あの表情を見てしまったから…。

舞空瞳でもなく、なこちゃんでもなく、そこに「サリー」が居たから。

なこちゃんはずっとずっと輝くプリンセスだけれど、あの時のなこちゃんは「サリー」だったんだ。

それほどまでに、役と一体になれた感覚、そしてそれが、幼いころからの夢だったお役。充実感に溢れたことは想像に難くありません。

あのような非常事態に、宝塚の舞台の幕を上げることの是非は人それぞれの考え方や意見があったと思います。また、あらゆる面から安全性を考慮し舞台をストップするという選択肢もあったことは、否めません。

ですが私は、今でも舞空瞳さんにお礼が言いたいです。

あの時、博多座の舞台に立ってくれて、本当に有難う、と…。

あの時、なこちゃんが博多座の舞台に立ってくれたからこそ、本拠地から遠く離れて、衝撃的な出来事が起こり、宝塚から気持ちが離れてしまいそうになった時でも、礼真琴さん舞空瞳さんが大好きで、その気持ちだけは何があっても変わらないんだ、と再認識させてくれました。

そして、宝塚歌劇にしかない「輝き」を4年ぶりに体感できて、心からの涙を流せたんです。

まさか、それから1年後になこちゃんの卒業を控えた退団公演が行われるなど、微塵も考えていなかったけれど…。

残り少ないなこちゃんの宝塚人生が、少しも心を曇らせることなく幸せであることを心から願います。

舞空瞳さん、宝塚歌劇団に入ってくれて、娘役になってくれて、星組トップ娘役になってくれて

本当に有難う。

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宝塚ファン歴20数年、福岡在住、このブログを運営しているnaomiです。

このブログは、アメブロで2011年に開設した「TAKARA座」を前身として、大好きな宝塚のこと、これまで観劇した作品について語っています。

筆者の詳しい自己紹介はこちら→https://takaraza.com/profile

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