かつて、こんなに静寂に包まれた千秋楽があったでしょうか。
星組公演ロミオとジュリエットのB日程千秋楽。
急遽ライブ配信が決定し、諦めかけていたB日程公演千秋楽を観ることができました。
無観客でも場内アナウンスは通常通りおこなわれ、映し出される映像でひとつ違うのは「客席が真っ赤に染まっている」こと。そう、誰一人座席に座っていない。本当に「無観客」なんだ。
舞台の幕が上がると、どの出演者も並々ならぬ気合を感じる。
スターが登場する、1曲歌い終わる、感動のシーン…
でも、拍手はない。
すすり泣く声も聞こえない。
本当に観客のいない劇場というものは、これほどまでに静寂に包まれるものなのかと改めて感じた。
そんななかでも、出演者の皆さんは本当に最高以上のパフォーマンスを魅せてくれて、もう本当に涙が止まらなかったし、「感動」という言葉では集約できないほどの気持ちが溢れました。
B日程をライブ配信で観るのは2回目。それでは短く、感想を。
ロミオ 礼真琴
なんて逞しくて大きなトップスターさんになったのだろう。歌声もダンスも、もちろんお芝居も…
安定感の上をいく丁寧で超絶クオリティの高いロミオ。
今この時、礼さんがトップスターで良かったと思えるような、頼もしさを感じました。
なんでこんなに歌が素晴らしいんだろう。うまいだけじゃなく感情だけじゃなく、本当に素晴らしいとしか言いようがない。
動きの滑らかさやほんわ~としたロミオの優しい雰囲気も本当にぴったりで、何度観ても感嘆です。
ジュリエット 舞空瞳
舞空さんのジュリエットが心揺さぶるほど素敵なジュリエットを完成させ、さらにその上をいく「進化」をし続けているからこそ、この作品はいつ何度見ても素敵なんだと心底思いました。
こんなに大変な状況でも、こんなに愛らしく激しく愛に溢れたジュリエットを演じてくれている…そのことにもう感無量。
舞空ジュリエットがとっても可愛いと思うのは(全部可愛いんだけれど)、ちょっとふてくされた表情。
口をとがらせて眉毛をハの字にして…(*^^*)まだ少し少年ぽさも漂わせる16の乙女ならではの表情が、本当に魅力的。そして、大人の女性に成長していく心の機微も表情から伝わってくる。
まだトップとなってからは作品数は少ないものの、すでに本当に本当に素晴らしい娘役トップスターさんで魅了されています(*^^*)
死 愛月 ひかる【B】
もうもう、素晴らし過ぎます!!
B日程のBlu-ray発売や、Twitterのトレンドワードなど、今回のロミジュリのムーブメントを先頭きって引っ張っているのはやっぱりこのお役・愛月ひかるさんでないでしょうか(#^.^#)
愛月さんって、こんなに滑らかなダンスをされるんだ。
これまでは、「ザ・男役!」なダイナミックなダンスのイメージが強く、その雄々しさにキュンキュンきていた私。
今回の、この何ともつかぬ滑らかで無機質な動き、ダンスにもの凄い衝撃を受けました。積み重ねた経験に、愛月さんの「役を楽しむ懐の深さ」が滲む舞台姿に…
でも昨日もう一度、まじましとその動き、表情、細部にまで神経の行き届いたお芝居を観ていると、もう何とも言えない感動が押し寄せた…
「概念」を体現する愛月さん。
私の大好きな愛月さんは、お髭と黒髪、渋い大人の男性のお役…
でも、この男性とも女性ともつかぬ物凄く難しいであろうお役を「生き生き」と水を得た魚のように演じる愛月さんに、ゾクゾクするとともに本当に感嘆の嵐でした!
あぁ。この作品を図らずも動かしているのはこのお役だ。
愛月さんがこんなにお役をぐぐぐっと引き上げたからこそ、ロミジュリB日程はこれまでにない「新解釈のロミジュリに進化を遂げた」と感じました。
ティボルト 瀬央 ゆりあ【B】
前回のライブ配信でのせおっちティボよりも、ずっとずっと良くなっていたせおっち(#^^#)
前回は、「頑張っている感じがある」と書きました。でも、その部分が良い意味でこなれていたんですよね。だから、ストレートに切なさややるせなさが伝わってきた。
相変わらず、誰にも負けない目ヂカラ、歌声もとても伸びやかで太く良かった!本当に華のある大きな男役さんになられたと感じました。
フィナーレの銀橋で、無観客でもウィンクをたくさん飛ばしていたせおっち。その熱い心とサービス精神とプロフェッショナルさに涙が出ました。
ベンヴォーリオ 綺城 ひか理【B】
綺城ベン、とってもとっても良くなってた!1回目に観た時よりも、より台詞や歌に情感がありスラリととした体型がとても生かされた舞台姿も素敵でした(*^^*)衣装の着こなしもバツグン。ヘアメイクもとてもかっこよく、現代的なベン様でした!
綺城さんは、星組に組替えされてからより洗練されたように思うのです。
言動のノーブルさはそのままに、風貌にスタイリッシュさがプラスされてとても素敵です。何だか気になる男役さん(*^-^*)
ロミオを心から案じる兄のようでも、ロミオを慕う弟のようでもある奥行きのあるベンヴォーリオを魅せてくれました。
パリス伯爵 極美 慎【B】
パリス伯爵になっても、やっぱり美しい極美さん。
「気取り屋のマヌケ」を凄く意識して役作りしているとおっしゃっていましたが、その微妙な抜け具合がとても可愛らしかったです。
スラリと長身、小顔、それにどこかイイ人そう( *´艸`)悪い人じゃなさそうだけどな~という雰囲気が極美さんらしかったな。
乳母 有沙 瞳
有沙さんの乳母、本当に本当に素晴らしかった。
極上すぎる歌声に、年配の女性らしい低い声やしゃべり方にスキがなくこれ以上の乳母を演じられる人はいるのだろうかと思うほど素晴らしかったです。
初演で観劇した時、白華さんの乳母に衝撃を受けて本当に感動しました。
その時と同じくらいの衝撃と感動を覚えた有沙さんの乳母。
モンタギューの若者たちと絡むシーンでも、あしらい方がうまいうまい( *´艸`)あんなに可憐な娘役さんなのに、動き、言葉の発し方などリアルな年配の女性感は圧巻です!
どれも素晴らしいんだけれど、特に印象的なのはジュリエットが結婚することが決まった時の乳母の心情を吐露した歌…
歌にのせて本当の心が伝わってくる。どんなに熱唱しても娘役さんとしての美しさは失わず、本当に完璧な宝塚版乳母でした。
その後、教会のエメに続くのですが、一瞬乳母をカメラさんが抜いてくれて。
有沙乳母が、頭を垂れて目をつぶり必死に祈りながら歌う姿が(;_;)もう泣けたよね。乳母のジュリエットを想う気持ちが溢れていて。カメラに映っていようといまいと全力で役を生きている有沙乳母。本当に素晴らしかった。(これしか言えない)
マーキューシオ 天華 えま【B】
天華マキュ、実は1回目のライブ配信ではあまり好印象ではなかったのです。もちろんとても研究し、独自のマキュ像を創り上げるべく底知れぬ努力をされたことは感じられたんです。
でもこの時はまだ何だか、ふわふわした感じがして…狂気の部分や浮ついた部分にフォーカスされ過ぎているように感じたのです。まるで素の天華さんの要素を覆いつくすように見せまいと武装しているように…
でも、2回目の観劇の今回…
めちゃくちゃ良くなっていた!!!
マキュならではの狂気や浮ついた雰囲気を柔らかく「哀愁」で包み込み、本当は繊細で友達想いの優しい部分を滲ませている素敵なマキュでした。
勝手な私のイメージですが、スカステなどで観るに謙虚で温かいお人柄の天華さん。そんな素顔が透けて見えるマキュは、とっても良かったです!
愛 希沙 薫【B】
天使のように女神のような希沙さんの愛でした。しなやかなダンスもそうですが、特に素敵だったのはその表情。慈悲深く、美しい微笑み。
愛月さんと対しても堂々とされていて、これからが楽しみな方だと思いました!
ベテラン勢ももちろん大進化されていました!
感想は、次回書きたいと思います(*^^*)
「読んだよ!」のしるしにバナーをクリックしていただけたら嬉しいです!
スカイステージは、ずっとスカパーで視聴しています(*’▽’)
【初回生産限定】『ロミオとジュリエット』Special Blu-ray BOX
星組宝塚大劇場公演 三井住友VISAカード ミュージカル 『ロミオとジュリエット』【Blu-ray】 [ 宝塚歌劇団 ]
コメント