突然ですが、大好きなジェンヌさんの作品だからこそ、ちょっとやそっとじゃ観られない…
時間があるときに「じっくりしっかり」観ないと失礼だ!とばかりに録りためて寝かせている作品、ありませんか?
私は、そのタイプ。大好きな愛月さんの作品は、「ながら」では観られないのです(/_;)でもこれがスカステで録りためた作品の鑑賞を先延ばしにしてしまう所以…愛月さんファンになってすぐ、ファンの皆さまにおすすめしてもらった作品をようやっと、最近観ることができました!
「SANCTUARY(サンクチュアリ)」「不滅の棘」
この2作品は、私の中で特に「じっくりしっかり」観らねば!と気合を入れ過ぎて温存しすぎていましたが、ようやく『SANCTUARY(サンクチュアリ)』の方を観ました。
いや~、ちょっと余韻が凄かったですね。
何というか、もう「役者魂!」が溢れていて度肝抜かれました。本当にドラマティックな作品!!
愛月さんの役者魂が開花!
この作品を観て改めて、愛月ひかるという役者は、この頃から重厚感のある世界観に負けない存在感、役者魂が溢れているということを再認識しました。
2014年の作品なので、この時まだ研8。男役10年を迎えていない時の作品です。信じられない。
そして、風貌から衣装の着こなし、立ち居振る舞い、セリフの放ち方…ただそこに佇んでいるだけでも艶やかだった。
純真さも表現されているんですが、隠しきれないこの色気は凄い!
難解に思われるストーリーをよりわかりやすく、そして感情を揺さぶりながら愛月さん演じるアンリ・ド・ナヴァールが迫ってくる。そして観る人をぐんぐん世界観に引き込んでいく吸引力が素晴らしかったです。
高貴で芯の強い「真ん中オーラ」は、この頃から半端ではない。まさに気品溢れる王子だったのですが、ただただ真っ白な王子ではなく影の部分や葛藤を織り交ぜた深みのある役作りが愛月さんの持ち味にぴったりでした。
特に印象的だったのは、ラストシーンのダンス。凛とした佇まいは決意に溢れていた。
そしてマルゴ(伶美うららさん)を力いっぱい抱きしめるところ!たまらない。不安と葛藤と愛と…さまざまな感情がないまぜになった表情が本当に素敵でした。
やっぱり愛月ひかるの真の相手役は伶美うららただ一人
さまざまな考え方があるとは承知しているのですが、私はやっぱりこのブログでも何度も語っているとおり、「男役愛月ひかる」のベストオブ相手役は「娘役伶美うらら」しかいないと今でも思っています。
だからこそ、この作品を観てしまうのがもったいなくて、大事にとっておいたのかも。でもその期待を大幅に上回る素晴らしいコンビネーションだった!
まず、「近寄りがたいほどの気高い美しさ」は近年伶美さんに勝る娘役はいないのではないでしょうか。男役に寄り添う可憐な花というよりは、ひとりでも舞台を埋められる「大輪の華」という持ち味が、愛月さんに本当にぴったりで…
デコルテの大きく開いたドレスを堂々と着こなし、センター分けした黒髪に髪飾り、濃いめのメイクも伶美さんの大人っぽい持ち味にマッチしてとても似合っていました。
愛月ひかるさんの大人っぽい雰囲気×体格の良い男役らしい舞台姿と伶美うららさんの色気・気品溢れる美しさ・意志の強さが見事に融合して、完成度の高い舞台を創り上げていた。
冒頭ではツンと愛月さん演じるアンリを突き放すのに、ある事実を知ってから彼女に眠っていた良心が疼きだす…そして、どんどん表情や言動が変わっていくんですよね。それが本当に素晴らしく巧くて。
アンリを愛する過程が丁寧に作り込まれていて、素直に引き込まれました。
こちらのフォトブックのお相手も、伶美うららさんでしたね(*^^*)色気のある素敵なフォトばかりで、今観てもドキドキするくらい素敵です!
圧巻のカトリーヌ・ド・メディチ純矢ちとせさん
脇を固める「役者」の存在も、この作品の素晴らしさの所以です。
特に印象的だったのは、カトリーヌ・ド・メディチを演じた純矢ちとせさん。もう本当に圧巻!この方の存在があったからこそ、この作品が小劇場とは思えないスケールと学年の若いジェンヌさんが創り上げる作品としては最高のクオリティを魅せてくれたのではと思います。(占星術師ルグジェリ役の花音舞さんの老婆もスケールの大きなお芝居で素晴らしかった!)
誰も寄せ付けない怖いくらいの迫力、心の機微の表現、哀しさ…どれをとってももう宝塚女役ではなく、どの舞台でも通用する「役者」そのものでした。
こんなに力量のある女役さんが宝塚に居てくれたこと、本当に財産だと思います。彼女を観て、芝居心を磨いたジェンヌさんは多いのではないでしょうか。
異世界にトリップさせてくれる作品
決して明るい作品ではありません。テーマも重厚で、軽やかに楽しめる作品ではないと思います。
でも、しっかりとしたストーリー展開、力量のある役者、そして愛月ひかる×伶美うららという絶世の美男美女が揃った作品。異世界にトリップさせてくれるのに十分な要素が揃っています。観た後に、後味の悪さを感じることなく宝塚の美学をしっかりと刻み込んでくれました。
あぁ、やっぱり「愛月ひかる」という男役が好きだ。
今また再確認(確認しなくても当たり前なんだけれど♡)しています。
もしまだ観ていない、という方がいらっしゃったら、愛月さんのファンではなくともぜひ観ていただきたい。この世界感に引き込まれること間違いなしです。
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