花組の帆純まひろさんの退団が近づき、最近になって急ピッチでホッティー(愛称は、カタカナなのね)の新人公演主演作品や、下級生時代に出演された花組公演、スカイステージのオリジナル番組などを観ています。
実は、はじめは大好きな舞空瞳さんの花組時代が観たくて観始めたのですが、そのうち、ホッティーや音くり寿さんや、華優希さんや、聖乃あすかさんや…当時の、超豪華な花組下級生でつくる新人公演に魅了されていって…。
ストーリーは、やや間延び感は否めませんでしたが、要所要所の見せ場は、やっぱり華やかで見応えがありました。
そして、ジャコモ・カサノヴァを演じた当時新人公演初主演のホッティーがとても素敵で、その立ち居振る舞い、美しさに魅入ってしまいました。
ホッティーは、その洗練された美貌と、真っ直ぐで純朴なトーク、そして何より「向上心」に溢れた姿がとても素敵だと思います。
ホッティーのカサノヴァは、確かに粗削りではあった。でも、ある意味完成されてもいたと思うんです。
初主演、そのプレッシャーを力に変えて、発光するほどにどこから見ても美しく、でも人間臭くてとびきりカッコいいホッティーだけのカサノヴァを演じていました。
その姿は、感動すら覚えてラストには私の目に、涙がじんわり浮かんでいました。
ホッティーと華ちゃんが新人公演トークをされていたのですが、そのなかで印象的なホッティーの言葉があります。(ニュアンスです)
ずっと、その背中に憧れ、追いかけてきた明日海りおさん。
明日海さんが舞台上でカサノヴァとして観る景色は、どんなに美しいだろうと思っていた。
あのライトを浴びれば、自然にカサノヴァになれるのかも…と思っていた。
でも、実際に自分がカサノヴァになって、舞台に立ってみると見えたのは「客席とライト」だけだった。
(ホッティーが本公演で、舞台のさまざまな場所でお役を演じていると、明日海さんの背中が見えて、舞台全体がよく見えて世界観に入りお芝居しやすいそう)
でも、主演という立場で、常に舞台の一番前でお芝居していると、見えるのは客席とライトだけ。
だから、明日海さんはいつも自分のなかにしっかりとカサノヴァを息づかせて背景をしっかりと落とし込んで演じられているんだと思った。
というようなことを(本当にニュアンスなのですが)話してくれていたんですよね。
私、これを聞いてとても感動しました。ホッティーの感性に…。
そうかぁ…とすごく腑に落ちて。「トップスターは孤独」という言葉が、ふと浮かびました。
もちろん、この言葉にはさまざまな意味が込められているのだと思うけれど、舞台上であんなにもキラキラ輝いているトップスターは、いつも誰よりも前に出て客席に向かってお芝居をする。
舞台装置も組子たちもほとんど見えなくても、自分が背中を見せながらいつも先頭を走って、作品の世界観を引っ張っている。
それって、本当にとてつもなく凄いことなんだなぁ、と…。
トップスターが観る景色は、いつも「お客様のキラキラ輝く笑顔」「眩しいライト」「美しい景色」と形容されます。眩しいライト、組子たちが後ろから送ってくれるパワー、客席からの熱い視線と拍手を幸せだといってくれるトップスターさんたち。
ホッティーが語ってくれたその景色も、「トップスターの観ているリアルな景色」なんだな。そして、それを新人公演の長の期で、ついに手にしたホッティーは、さまざま気持ちを抱えて重責を全うしたのだと思いました。
ホッティーが、新人公演を終えた時の挨拶。とても正直で、真摯で、本当に好感を持ちました。でも、どこにも奢ったところはなくて、やり切った感というよりも「今すぐ、次に向けて足りないことをお稽古したい!!」そんな、自分自身への厳しさ、真面目さが滲んでいました。
こんなにも真っすぐに男役を磨き続けた素敵なタカラジェンヌが、もうすぐ退団していく…。
心から、寂しく思います。
ホッティーは明日海さんの背中を、全力で追いかけたんだね。スターひしめく当時の花組で、ホッティーは確かに光を放って真ん中で輝いていました。
そして、たくさんのことを学んで今、下級生たちにその頼もしい背中を見せてくれているのでしょう。
退団公演のラストの日まで、ホッティーをはじめ退団者の皆さんが自分の思い描く男役・娘役にどこまでも近づけますように…心から願っています。
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