月組のトップスター月城かなとさん、そしてトップ娘役の海乃美月さんが退団発表をされてから、約4か月が経ちました。あっという間だったような、もうそんなに経ったのか…というような怒涛の4か月だったと思います。
月城かなとさん(れいこさん)の傍らには、いつも穏やかに佇む鳳月杏さん(ちなつさん)。
スカイステージなどでとトークされているところを観ると、れいこさんは時折、ちなつさんに対してフランクな話し方をされているし、ちなつさんも「れいこさん」と呼んだり「れいこちゃん」と呼んだり、トップと上級生2番手、というイレギュラー感がないような自然な関係性を感じます。
月組の次世代を背負う方は誰なのか…に注目が集まっている今。
録画していた、直近のちなつさんの主演作品ミュージカル・ロマンティコ『ELPIDIO(エルピディイオ)』~希望という名の男~を、ようやく観ることができました!今日は、今更ですが、2022年月組で上演された『ELPIDIO(エルピディイオ)』の感想を書かせていただきます(*’▽’)
実はあまり期待せずに観始めたけれど…
ポスターはちなつさんのドアップ!素敵だけれど、どのようなストーリーか全然想像がつかなくて、あらすじを読んでもあまりピンとこず、実はあんまり期待せずに(失礼!)観始めたんです。
案の定、1幕の始めは正直「しょっぱなから引き込まれる!」という感じではなかった…。
舞台上も暗めで、20世紀初頭のスペイン、マドリードの当時の情勢や、そこに暮らす人々の辛さや嘆きを説明するシーンが長く感じて、「宝塚としてはちょっと重いかな…コメディ要素もあると聞いていたけど本当にコメディなところあるんかな?」ちょっと挫折しそうになった…。
でももう少し、観てみよう!と頑張っていると、「あれ?なんか面白くなってきた…!」
そう、この作品の最大の見せ場となる「アルバレス侯爵の館で替え玉になる!」という奇想天外な設定がいきなり登場したあたりから物語が大きく躍動し始めます!
芝居巧者の専科輝月ゆうまさん、そして退団されてしまったけれど蓮こん!!(蓮つかささん)そしてちなつさんが3人でお芝居を始めたあたりから、急展開を迎えます。
鳳月×輝月×蓮、そして彩の織りなす大人のコメディ
その3人のテンポのよい掛け合いが可愛いし楽しい…!(≧▽≦)
コメディやってますよ~感がないのに、ちゃんとコメディ!自然にくすっと笑えるし、オジサマたちが可愛いし、でもしっかり台詞が心に届いてさすがのお三方!
ちなつさんは言わずもがな、まゆぽんのお芝居は重厚感とウィットに富んだところのバランスが抜群!蓮こんはとにかくキュート!そして温かな心が伝わるし、台詞がとても聞き取りやすくて心地いい!
もちろん、それまでに登場されていた月組生の皆さんも素晴らしいお芝居だったのですが、ストーリーの展開がこのあたりからグッと面白くなってくるんですよね!
まさに「淑女」な彩みちる
ヒロインである彩みちるさんは、待てども待てども出てこない…!焦らすねぇ…、でもそれがかえってよかった(*’▽’)
待って待ってようやく登場されたときの、貴婦人たるや本当に素敵な淑女で(*”▽”)
正直、みちるちゃんがこんなにも素敵な大人の娘役さんになっていたことに、今更ながら驚き、それからというもの登場シーンを待ってしまうほど釘付けになりました…!(雪組時代のシティハンターから、きちんと作品を観れていなかったから)
みちるちゃん演じる侯爵の妻パトリシアは、美しく心が清らかであるだけでなく、「知性溢れる」女性。このお役は、娘役として成熟しつつある今のみちるちゃんだからこそできる、奥深く洗練されたお役だと思います。この素敵な女性を無理なく、よりエレガントに演じたみちるちゃんは、男役として成熟したちなつさんとぴったりで、本当に夢を見せくれるお2人でした(*^^*)
礼真琴さんと舞空瞳さんがともに舞台に立つことで生まれる「ときめき」に魅了されている私ですが、鳳月杏さんと彩りみちるさんが並んだときにも、そんな「ぴったり過ぎて夢が見られる」感覚になったんですよね。
ちなつさんとみちるちゃんのキュンポイント!
- 超絶端正なお髭のちなつさんが「夫じゃない!」と見破るときの、みちるちゃんの表情(*^^*)
- ちなつさんとみちるちゃんが、互いに「惹かれ始める」ところがとても自然、そして大人!
- ちなつさんとみちるちゃんのキスシーンが、とにかく芸術的に美しい!
- みちるちゃんの「あなたとの嘘の芝居、もう少し続けてみようかしら…」の艶やかさ
- 何をしても、ちなつ&みちるは気品があって素敵だった
重いテーマを「メリハリ」のある構成で軽やかに!
ストーリーとしては、女性の地位向上や植民地支配、反戦、貴族、軍人、それ以外の人々の間にある越えられない壁…さまざまな社会的問題をてんこ盛りにしているにもかからわず、重くなりすぎず軽やかに観れたこともこの作品の凄さ。
しっかりコメディ要素もあるけれど、それに振り過ぎず本筋はしっかり通ってメリハリがある。
しかも、あれもこれも伏線を散りばめといて、ラストまでには全て「気持ちよい」形で回収されていく!そして、こういうストーリーならきっと「結ばれない」、でもそれぞれの道を行くことで深い愛を感じさせ余韻を残す…的なラストを想像していたら、まさかのハッピーエンド!!
これが、凄い!色んな希望を抱かせながら、幸せな気持ちで幕が下りるんですよね。もちろん、脚本が良かったのもあると思いますが、これもひとえに月組のお芝居力の高さ、そしてまゆぽんの専科として存在感にほかなりません。
月組のお芝居のレベルの高さを改めて感じた作品
そして、やはり鳳月杏さんと彩みちるさんが、大人の魅力と熟練の「男役芸、娘役芸」を遺憾なく発揮したことが大きいと思います。いや~、想像以上に面白くて素敵な作品でした…!また、しばらくしたら観たくなる作品になること間違いなし!
それにしても鳳月杏×彩みちる、本当にお似合い。
初めて、がっつりとお2人が組むお芝居を観て、心から思いました。
お芝居の空気感がすごく心地いい。ことなこが一緒にダンスして一心同体みたいだ…と思う感覚に似ています。息づかい、呼吸が無理なくぴったりというか、お芝居の空気感が溶け合うようで、観ていてとても心地よかったです。
また、ちなつさんとみちるさんががっつり組むお芝居、観てみたいなぁと思った名作『ELPIDIO(エルピディイオ)』でした(*’▽’)
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