音月桂さんの音月桂サヨナラ特別番組「KISEKI」が、スカイステージで再放送されていました。
改めて、その軌跡を映像とご本人のインタビューで紐解いていくと、本当に雪組の宝塚の「超御曹司」であり、宝塚歌劇団にすべてを捧げて生きてきた姿にグッとくるものがありました…。
音月さんがインタビューでシンプルに、真っ直ぐにお話しされていたことが、一つひとつ心に迫ってきて、今の宝塚歌劇団が置かれている状況と重ねると、なんかもうたまらなくなって泣けてきた。
音月さんの曇りのない澄んだ瞳と、その言葉から「本当に心からこの場所を愛している」ことが伝わってきました。
音月さんの言葉は、先ほども触れましたがどれも真っ直ぐでシンプルで本当に素敵でした。(ニュアンスです)
退団しても、宝塚に対する愛情は変わらない。
お客様、ファンの皆様の存在あっての宝塚
宝塚を知ってほしい。もっともっと、そのよさを知ってほしい。これから宝塚を受け継いでいく皆には、入ろうと思った時の自分の熱い思いを思い出してほしい。ここが大好きで入った時のこと、下級生の時に「どんな歌を歌えるんだろう」「どんな台詞をいただけるんだろう」そうドキドキワクワクしていたあの頃の気持ちを忘れないでほしい…。
「生徒一人ひとりが」キラキラ輝く宝塚であってほしい。
15年間の宝塚への想い、「宝塚我が心の故郷」
とっても大切な時間を宝塚で過ごすことができた、入っていなかったら今の私はいない。
最高の男役を極め続けたいです。諦めません、最後まで…
ここにこうして書くと、宝塚歌劇団で輝いてきた多くのトップさんたちが口を揃えて仰ってきたことと大きく違いはありません。
でもね、轟悠さんがトップスターの時代に新人公演初主演を務めて以来、新人公演主演、小劇場の主演、早くから雪組で主要キャストに選ばれ、「これでもかっ!!」と御曹司たる「帝王学」を叩き込まれてきた音月さん。そんな音月さんが、こういう風に思えるのって冷静に考えて改めて凄いなって思ったんです。
だってここまで主演を総なめにし、早くから抜擢されまくって、トップに上りつめた音月さん。順風満帆の陰には、人知れず「御曹司」ならではの本当に多くの苦労があったのだろうと推察します。
順風満帆に見えた新人~中堅の頃(研5~7過ぎくらいまで)こそ、自分自身の理想とする男役と舞台人としてこうありたいという在り方との乖離にとても悩み苦しんだことを話しておられました。
でも、これだけ恵まれた環境にあっても決して自分に甘んじることなく高みを求め続けた。
負けず嫌いと自身のことを仰っていましたが、先生に言っていただいたことを家に帰って遅くまで自宅で練習し、翌日少しでもより良くなっていたいと努力を重ねていた、それも楽しかったと。
尊敬する水夏希さんを中心にAQUA5で活動されていた中堅時代も、水さんが主演というとても忙しく大変な時期に、嫌な顔疲れた顔ひとつせず、「宝塚をもっと知っていただきたい」「雪組をもっと観に来ていただきたい」と前向きに取り組んでおられたのを見て、音月さんも大きな影響を受けたのだそう。
音月さんの言葉を聞いていると、水さんの影響を大きく受けてきたことを感じるし、同時に、今の雪組トップスター彩風咲奈さんにもそのスピリットは脈々と受け継がれている気がした。
柚希礼音さんから礼真琴さんへと星組魂が受け継がれてきたように、雪組魂もまた脈々と受け継がれているのでしょう。
今、宝塚歌劇団が本当に守ろうとしているのは何なのか。
宝塚歌劇団が今回の件で認めた「過重業務、長時間業務」ももちろん大切なことだと思います。ですが、それよりも何よりも、まず「健全な土壌づくり」が大切なのではないか…。一人ひとりの生徒を、真に大切にすることが優先されるべきことではないかと思えてならないのです。
ついていきたい、この人みたいになりたい、と尊敬する人が「生徒一人ひとり」の近くにいること
生徒一人ひとりに支え合える、切磋琢磨できる仲間がいるように、人の配置に徹底的に心を配ること
それがどれほど大切なことなのか、今回の件を思い返して、そして音月さんのインタビューを聞いていて感じます。
宝塚歌劇団は、一番大切な「人」の想いを汲み取り切れずにここまできてしまったのではないか…。そんな気がしてなりません。
商業演劇として、「宝塚歌劇団による収益」とても大切なことだと思います。
でもそれはまず、「人」あればこそ。
タカラジェンヌだけでなく、それを支えるスタッフも含め、皆が自身の仕事を誇ることができ、互いを尊重できる土壌が整った組織こそ「真の感動」を生み出せると思う。
もちろん、その時々で劇団関係者の方々が尽力されたこともたくさんあったと思います。
ですが、やはり「人の想い」を置き去りにしてきた部分はあったのではないか、見て見ぬふりで強引に進んできてしまった部分が積み重なり、今に至っているのではないか…。そう思えてなりません。
今日、宝塚歌劇団から「ご遺族代理人とのお話し合いについて」とコメントが発信されました。

たくさんのタカラジェンヌが繋いできた「伝統」とは一体何か、今、世間から問われています。
もう一度繰り返してしまうけれど、音月さんがサヨナラインタビューで仰っていたこの言葉、この気持ちを瞳を曇らせないこと、それが宝塚歌劇団の「守るべきもの」じゃないかと思う。
宝塚を知ってほしい。もっともっと、そのよさを知ってほしい。これから宝塚を受け継いでいく皆には、入ろうと思った時の自分の熱い思いを思い出してほしい。ここが大好きで入った時のこと、下級生の時に「どんな歌を歌えるんだろう」「どんな台詞をいただけるんだろう」そうドキドキワクワクしていたあの頃の気持ちを忘れないでほしい…。
最高の男役を極め続けたいです。諦めません、最後まで…
今のままでは、この言葉のようなタカラジェンヌの想いは守れないと思う。
宝塚歌劇団への世間の目が厳しくなる一方で、限られたファンだけが愛でる宝塚、チケットが完売すればいいじゃないか…、それは絶対に違う。
初めて観て、体感した人でも心奪われるような「愛に満ちた世界」こそが、宝塚歌劇の真骨頂。
そんな世界を創り上げる宝塚歌劇団は、まず上級生から下級生まで、そしてスタッフ含め「人」を大切にしなければ、伝統も守れないし全てが始まらないと思うのです。
タカラジェンヌの多くが、「まだ宝塚を観たことがない方にも、好きになっていただきたい」と口にされます。でも、今の宝塚は逆行してしまっているのがとても悲しい…。
そして、ご遺族のお気持ちに本当の意味で向き合い、本当の意味で「真摯に誠実に」対応されますように…。
そして、これまで人生を懸けて多くの方たちが繋いできた「本当に守られるべき宝塚歌劇の伝統(人の想い)」が守られますように…。
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