宝塚歌劇団の会見の後、宝塚調査報告書を読み、同日行われたご遺族側の会見も全て視聴しました。
宝塚歌劇団側の会見についての感想は、簡単にはなりますがこちらに書いていますので割愛させてください。
多くの方が感じられているように、報告書を読むと宝塚歌劇団の会見を観ただけの印象とは少し異なりました。ですが、やはりパワハラの件などご遺族側の訴えとは大きく食い違う部分があること、偏りを感じる部分は否めないと感じました。
調査報告書は、読むだけでも大変な量。
それでも、不十分さが否めないということは、どれほどの根深い問題なのだろうと感じます。
会見も、両方全て観ると数時間かかります。
それでも、少しずつ読み進め、視聴をしました。
テレビでは、トップニュースやメインニュースとして各社がこぞって宝塚歌劇団のことを取り上げています。録画をしていくつか観ましたが、やはり宝塚歌劇団側の会見および報告書への違和感を報じていますね。
私が報告書を読んで、特に感じた個人的な印象を書かせてもらいます。
読み進めていく中で報告書に横たわっていたのは、「言葉の刃の恐ろしさ」です。
報告書には、長時間に及ぶ過重労働についての詳細、上級生の指導についての詳細に触れられていました。長時間に及ぶ過重労働については、宝塚歌劇団も認め謝罪し、改善する意思を会見からも感じられたので、環境改善への第一歩が踏み出されたと思います。
ですが、ご遺族側の弁護士会見で語られていたように、あるいはテレビなどでも報じられているように、「上級生からのパワハラ」については、報告書の内容を受けて会見で否定している。報告書の内容から「なかったこと」とする姿勢でしたね…。
でも報告書を読む限り、上級生、下級生かかわらず「辛辣な言葉」が口頭やLINEのやり取りなどで交わされていたことが記されており、このような指導方法、やり取りが常態化していたのだろうと感じられます。
率直に、「目的を見失っている」状況が浮かびました。
お稽古も、公演準備も「宝塚歌劇において、素晴らしい舞台を披露するため」に皆が同じ目的で行われているとすれば、その目的を達成するために最良な方法を「冷静に考えることができなくなっている状況」…と言えばいいでしょうか。そういう印象を受けました。
辛辣な言葉と「愛のある厳しい言葉」は全く違うと思います。
「宝塚歌劇において、素晴らしい舞台を披露するため」という共通認識のもと、同じゴールを目指して皆が向かっているのであれば、誤りを正す際にどのような言葉を使えば相手によりスムーズに伝わるのか…。
それを、一瞬でも上級生が考えて言葉を発するという「精神的余裕がない」ほどに過酷な状態にあったのか…。
これまでがそうであったから、それに倣い同じように辛辣な言葉を使い続けたということなのか…。
「言葉の刃」により追い込まれている様子を感じていても、ハッと「この言い方は良くなかった」と立ち戻ることはできなかったのか…。
誰も、「その言い方はないよ」と言ってあげる人はいなかったのだろうか…。
「辛辣な言葉が人を傷つけること」は小さな子どもでもわかること。それによって傷つき追い込まれている人がいるとわかったなら、立場や状況は関係なく謝罪は必要なはず。
それでも、それをしない宝塚歌劇団は、やはり違和感しかありません。
ネガティブに感じられる言葉を、ポジティブに変換して伝えるだけで、どれほど印象が変わるか。もちろん、芸事には厳しさ伴うもので、それを覚悟の上で宝塚歌劇団に入っているのだろうという想像もできます。ですが、それが「度を越していた」からこそ、このような状況になっているのかもしれません。
報告書の内容をもって宝塚歌劇団はパワハラはなかったと言い切り、それに関しては謝罪なしの状態に唖然としました。
それで、宝塚歌劇が何もなかったように公演を続けて、それが本当に「生徒を守る」ことになるのか。
強引に進めることでかえって、不信感から宝塚歌劇に対する世間の目が厳しく冷めたものになるのでは…。たとえ満場の劇場で宝塚ファンからの温かい拍手に包まれていても、そのような世間の状況を感じながら本当にタカラジェンヌたちが幸せに舞台に立つことができるのか…。
誰かをさらに追い込まないために、宝塚歌劇団が生徒を守っているという構図なのかもしれません。誰かをさらに追い込まないことは大切なことでしょう。パワハラについて謝罪することで、誰かが追い込まれるのを避けたいということなのかもしれません。
ですが、今変わらなくていつ変わる、と報告書にも弁護士側の言葉にも共通してありました。
どうすれば、これ以上誰も傷つかずに解決に向かうのか、私には答えが見つかりません。
そして、どのような姿勢でいることが「正しいファンの姿」なのか、それは誰にも断言できないと思います。
観劇をするも、しないも
宝塚歌劇団にお金を落とすも落とさないも
宝塚友の会に入会するも退会するも
スカイステージを見続ける、退会するも
宝塚にまつわる活動を続けるも、ストップするも
すべては、宝塚歌劇が好きだからこそ迷うのだし、どうすることが正しいのか誰も答えが見つからないのだと思います。
ただ、ひとつだけ言えるのは、「今の宝塚歌劇団は、いかん」
それだけはわかる。
今のままじゃいかんよ。
誰かが追い込まれないように、同じことが繰り返されないように、それは前提です。
商業演劇である以上、いつまでも公演を止めるわけにはいかないでしょう。収益のない期間が長引くほど厳しい状況になるでしょう。
でも、長い目で見て今を急いてしまい道を誤れば、それ以上に厳しい状況になりはしないだろうか。
宝塚歌劇団として、今こそしっかり立ち止まって熟考しながら進む時なのでは…。
そうしなければ、本当の意味でタカラジェンヌを、そして宝塚歌劇団そのものを守ることはできないと思います。
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コメント
コメント一覧 (2件)
一番、生徒数少ないし、りくさんや、澄耀さんとか、あの頃の、日が、辞めていったら、一気にガクッと来ました、朝夏さんらの頃はここまでとか、なかったきが。違うブロガーが書いてだけど、七海さんが、何かコメントするかもとか、書いてました、卒業生の、人も、タレント業してるのは、宝塚出身だからだし、悪く、いえないノかも。
宝塚歌劇に関わってきた人たち全てが、今どのような気持ちでいらっしゃるのか…複雑な気持ちを抱えておられるでしょうね。