日テレNEWSにて、ご遺族側の「代理人弁護士による会見」を、1時間12分14秒、全て視聴しました。(YouTube視聴)
ネットニュースに多数要点がまとめられていますし、NHKの全国ニュースでもこの話題は大きく取り上げられています。今朝は地方のラジオ番組からも、このニュースが流れてきました。
「宝塚」と検索しただけで、数限りないほどのこの件に関する情報が溢れ出てきます。事実関係や時系列での要点など、誤解を生んではならなため、会見の内容をここに詳細に書くことは控えます。
ですがこの会見を全て視聴して自身が感じたこと、それを一ファンとして書きたい。
やはり、目を背けることはできない。
そう感じる、とても生々しい現実がそこにありました。
長時間に及ぶ過重業務、そして上級生によるパワハラ
今回の件に関してはさまざまなことが絡み合っているとは思います。ですが、この会見ではこの2点が大きく取り上げられ、説明、質疑応答されていました。
限られた時間のなかでも、かなり真摯に対応されていた印象。記者の質問に対しても、できる限り受けるという姿勢でした。
率直に、全編を視聴して思ったのは宝塚歌劇団が「究極に閉鎖的である」ということ。そして、一般社会の感覚とあまりにもかけ離れているということ。
もちろん、一般社会の定義も曖昧であるし、一般社会と呼ばれるなかにも異質で異常な環境が生まれることはあると思います。ですが今回語られたなかで、私が特に驚き唖然としたのはこのことでした。
・朝9時から12時まで下級生稽古→13時から22時まで全体の本稽古→その後24時まで自主稽古
・入団5年目まで雇用契約、6年目からは業務委託(いわゆるフリーランスのような状態)にもかかわらず、専属性が高く厳しい管理下にある
・阪急電鉄ではなく「宝塚歌劇団」と生徒が契約関係にある
・新人公演のシナリオ、配置(配役?)を演出家を手伝い長の期の長が受け持つ
会見内容を聞き間違えていなければ、このようなことが語られていました。
・朝9時から12時まで下級生稽古→13時から22時まで全体の本稽古→その後24時まで自主稽古
まず、「労働時間」が異常。
もちろん、演劇、芸能の世界において、どこからどこまでが業務でどこからどこまでが自主的なものかは曖昧でしょう。
またこの時間中ずっと歌ったり踊ったりしているのではなく、「人のお芝居を見学している」など実際に自身が動かない時間帯も含まれるでしょう。
ですが、「公演に向けての準備」とする拘束時間があまりにも長い。自主的とはいえ慣習的にそうせざるを得ないというようなプレッシャーもあるのでは、と感じました。
あれほどの舞台を公演するからには、並大抵のお稽古では成り立たないのだろうし、時間はいくらあっても足りないくらいなのでしょう。
でも、客観的に見るとそれは「心身の健康を保つ」意味で限界突破し過ぎです。女性には、特有の体調の変化もあるし、無理のし過ぎで将来的に心身の健やかさを失ってしまっては元も子もない。
・朝9時から12時まで下級生稽古→13時から22時まで全体の本稽古→その後24時まで自主稽古
このスケジュールは、いつからこうだったのか…。睡眠時間を連日削って、あれほどの体力気力を使う公演を続ける…想像を絶します。
・入団5年目まで雇用契約、6年目からは業務委託(いわゆるフリーランスのような状態)にもかかわらず、専属性が高く厳しい管理下にある
また、フリーランスのような形態での契約になってからも専属性が高く自由度がない。宝塚歌劇団に所属する限り、劇団の許可なしに外部での活動ができないのはわかります。
でも、じゃあなんでフリーランスである必要があるのでしょう。単純に疑問です。フリーランスとなれば活動に自由度がある、というのならわかりますが、会見の内容では5年目までと変わらないということでした。
・阪急電鉄ではなく「宝塚歌劇団」と生徒が契約関係にある
これも、かなり疑問。宝塚歌劇団は「阪急電鉄」の一部門ということであるならば、生徒と契約する先は本来阪急電鉄なのではないのか…。今回の件について、阪急電鉄は何も関与しないということなのか…。
劇団の対応が曖昧であったり、今回の件のように信じられないようなことが容認されていたりと、「宝塚歌劇団」が「独立国家」のような状態にはなっていないのか…。そのことで、状況がより悪化しているのではないかと…。
その実態を知ろうとすることは「すみれコード」同様にタブーであると思っていた一ファンとしては、今回の会見内容は驚きの連続でした。
・新人公演のシナリオ、配置(配役?)を演出家を手伝い長の期の長が受け持つ
こちらに至っては、もう唖然としました。もちろん、こういう経験を経て舞台人として、多角的に「舞台を創る」過程を学ぶということなのでしょう。でも、それこそこれは「過重」だと言わざるを得ません。
百歩譲って「シナリオ」を手伝うというのはあったとして、「配置(配役?)を手伝う」ってそんなの一生徒にやらせるなんて、それこそ軋轢が生まれ、特定の人が責められる元になるのでは…。
会見で知った、驚きと違和感に溢れた内容に、唖然とした次第です。
宝塚歌劇が本当の「再生」をするために、これらは目を背けられない問題だと強く感じます。
上級生によるパワハラについては、現時点で言及できることはありません。この事実を知り、もはや言葉がありません。ただこの会見で語られた言動は、到底指導とは思えませんでした。このような暴言が繰り返されたという事実に残念としか言いようがない。このような慣習がいつからあったのか、上級生がこのような言動をするに至ったその背景も調査が必要だと感じます。
ご遺族の言葉の代読を聴いた時には、その言葉の一つひとつからご遺族、そしてご本人のお気持ちが伝わってきて涙が出ました。ご本人が現状を訴えたにもかかわらず、劇団がきちんと対応しなかったというのも本当に言葉になりません…。
宝塚歌劇団が、本当の「再生」をするためには、ご遺族の訴えから目を背けずに真摯に誠実に、そして隠蔽と取られるようなことをせず対応すること。
そして一ファンとして、宝塚歌劇団が道を誤らず、真に生まれ変わるように何かを誰かを誹謗中傷するのではなく「厳しく見守る」しかないのでしょう。
それが、大切な人たちを間接的にでも守ること、そして宝塚という唯一無二の世界を失わないことにも繋がると信じて…。
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