花組 東京宝塚劇場公演『鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん)』『GRAND MIRAGE!』が、急遽、公演が中止となり、引き続き10月5日(木)まで中止期間が延長されると発表がありました。
10月8日(日)の千秋楽を目前に、苦渋の決断だったのだろうと思います。
ですが、「生徒の体調も含めた安全を第一に考える」「生徒の心情に寄り添う」という意味では、今こそ『タカラジェンヌ』の休養が大切なのだと感じます。
「休養」という言葉を改めて紐解くと、厚生労働省のサイトにはこう書かれていました。
「休養」は疲労やストレスと関連があり、2つの側面がある。1つは「休む」こと、つまり仕事や活動によって生じた心身の疲労を回復し、元の活力ある状態にもどすという側面であり、2つ目は「養う」こと、つまり明日に向かっての鋭気を養い、身体的、精神的、社会的な健康能力を高めるという側面である。このような「休養」を達成するためにはまず「時間」を確保することが必要で、特に、長い休暇を積極的にとることが目標となる。
休養・こころの健康 厚生労働省
よく、タカラジェンヌの方たちの言葉に「家族よりも長く一緒に居る」「家族のように」「家族以上の」といった表現があります。一般社会のなかで育む人間関係以上に、宝塚という場所で育む人間関係は濃く、深いものなのでしょう。それだけに、心身のダメージも計り知れません。
一方、観客側の視点に立つと、チケットを購入し楽しみにその日を迎え、当日に中止を知るというのも計り知れないダメージがあるのも事実で…。それでもファンは、タカラジェンヌの皆さんの心身の健やかさを願い、心からのエールを送る方がほとんどではないかと思います。
ただ、遠方から劇場に訪れた方、その日に特別な想いを込めて劇場に足を運んだ方にとっては、どうしようもなくやるせない気持ちが残ることもあるでしょう。
こういう切なさ辛さを減らしていくために、宝塚歌劇の最前線で舞台に立つタカラジェンヌの皆さんの「心身の健やかさを保つことの重要性」を改めて認識し、宝塚歌劇団がよき方向へと動いていくことを願いたい。
「休養」はどんな人にとっても大切なことですが、「プライベートと仕事の境目」が非常に曖昧になる職業であろうタカラジェンヌの皆さんにとっては、特に細やかにケアしていかなければならないのでしょう。
専門家に入ってもらうのも大切なことかもしれませんが、本当の意味で「休養」になるのは、本当に信頼できる人に心の内を話したり、リラックスして何気ない会話ができたり、栄養のある食事を摂ったり、睡眠をしっかりとったり…。
そういう、一般的によく言われる「基本的なこと」ができる環境をこまめにつくることしかないんじゃないかな…。心も身体も元気になるための基本って、意外と何気ないことかもしれない。
今の宝塚歌劇のスケジュールや体制では、こういう時間を十分に持つことが難しいとはっきりしたのかもしれません。どうか、タカラジェンヌの皆さん、宝塚歌劇に関わる方たちの心身の健やかさが守られますように…。
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