『花組トップ娘役』のプレッシャーを力に:星風まどかの変化

久しぶりに、星風まどかさんのスチールをじっくり見ました。うーーーん、やっぱりすごく大人っぽくなった。少女性が持ち味だったまどかちゃんですが、花組に組替えした瞬間から驚くほど大人の魅力を醸し出す娘役さんに…。

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2018年に宙娘役トップスターに就任して2021年年始の『アナスタシア』で一旦終止符を打ち、専科へ。2021年夏から花組全国ツアーで花組トップ娘役に就任、それから現在上演中の鴛鴦歌合戦まで約5年間をトップスターとして過ごしているんですね。

今回は、そんな宝塚史上でも稀な経歴を持つ星風まどかさんのことを書きたいと思います。

目次

少女の魅力が溢れる、宙組時代の星風まどか

伶美うららさん、純矢ちとせさん、愛花ちさきさんなど、大人っぽく存在感のある娘役さんがたくさんいる宙組で、小柄で可愛らしい顔立ち、少しふっくらとした頬がまだまだ幼さを醸し出していた宙組時代のまどかちゃん。

トップスターに就任してからのお役では『天は赤い河のほとり』のユーリ・イシュタル、『黒い瞳』のマーシャは役柄の雰囲気とまどかちゃんの持ち味がぴったりだったけれど、『オーシャンズ11』のテスなど大人っぽい役になるとやはり少し物足りなさを感じてしまっていました。

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真風涼帆さんの円熟した大人の魅力と余裕、まどかちゃんの少女性との化学反応がなかなか難しいお役もたくさんあったと思います。それを埋めるべく、真風さんはもちろんですが、まどかちゃんも凄く努力したんじゃないかなぁ…と今振り返ると思います。

ただこれは、好みの問題だとも思います。まかまどコンビが好きっていう方の気持ちもわかるし、まかまどコンビだからできた作品もあると思うから…。なので、前のまどかちゃん、今のまどかちゃんどっちが良い!という話ではないのです。

昨日、スカイステージで放映されていた「アナスタシア」を観ました。アナスタシア、アーニャのまどかちゃんは可愛らしくて意志が強くて役柄にぴったりだったものの、やはりどこか物足りなさがあり…。歌、ダンスは上手なのに何でだろう…?お芝居がやや単調だったから…?すごく、その理由を自分でも知りたくなった。

アナスタシアで娘役や女役の大きなお役が少ないのもあるのですが、特に印象に残った女役さんは、寿つかささんのマリア皇太后、和希そらさんのリリー(*’▽’)もう、このお2人が異次元に素晴らし過ぎてその印象に全部持ってかれた…!

すっしぃさんはその声の出し方や表情ひとつ、何なら立っている佇まいだけでも伝わるお芝居の深みが本当に素晴らしかった。何より、高貴な美しさが際立っていた。

和希そらさんは、男役でも抜群にカッコいいですが、女役のこの色気の凄さは何?ってくらい超絶にカッコ良くておしゃれでキレキレで何より「美しかった」。そのままミーマイのジャッキーも似合いそうだし、妖艶な女役ならどんな作品でもハマりそう。本当にふり幅が広く、可能性無限大な「役者」だなと思いました。

だからこそ、アナスタシアのなかでまどかちゃんの少女性は貴重であり、宝塚のヒロイン像として求められるんだろうけれど、歌やダンス、お芝居の巧さに加えて「娘役トップスター」としての貫禄、抑揚、押し出しの強さをどうしても求めてしまうような、か弱さや幼さが気になっていたのかな。

これが、物足りなさの理由だったのかもしれません。娘役として抜擢が続いたものの、どうしても「熟成するため」の娘役としての経験や年数がこの当時では足りなかったのかも…。

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随所に大人の魅力が咲く、花組の星風まどか

専科を経て、昨今ではめずらしいスライドで花組トップスターに就任したまどかちゃん。花組は、5組のなかで最も歴史が古く、赤やピンク、柔らかな淡いカラーを美しく華やかに着こなす容姿、「宝塚らしさ」をどの組よりも強く出した舞台が持ち味。何より花組生は「花男」「花娘」であることに誇りを持ち、代々受け継がれてきたものが色濃く残っている組だと感じます。そんな花組の娘役トップスターに就任、しかも全く持ち味の違う宙組からのスライド…それはそれはプレッシャーだったことでしょう。

でも、まどかちゃんはそれに委縮することなく、むしろそれを力に変えて大きく開花した気がするんです。(柚香さんなどさまざまな支えもあったのだろうと思いますが…)

元禄バロックロックの映像を観て、私は衝撃を受けた…!

本当に同じ人?

それくらい、元禄バロックロックのキラは、まどかちゃんの娘役としての劇的な変化を感じたし、いい意味で自信と貫録、落ち着きが溢れ出ていて素晴らしかった…(*”▽”)

ピタっとパズルがハマった感じで、全てのバランスが整った感じ。メイクも花組仕様に変わり、より華やかに大人っぽく艶やかさを増して美しくなっていました。何より、まどかちゃんのキラには、間違いなく舞台姿に余裕と力強さが加わっていたように感じたんです。

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最近の様子は、スカイステージでダイジェスト映像を観たり、トーク番組を観たりですが、明らかに貫録が出つつも、あの少女性はそのままで…。CAST#13~星風まどか side-A~でも、SHUN先生のスタイリッシュなダンスを男役さんを引き連れてクールに踊っていて、そのプロフェッショナルな表情はとてもカッコ良かった!

いい意味で変わらず、でも確実に洗練されていった「今」のまどかちゃんをダンスやトークからも感じました。

まどかちゃん、モデルとしても自然体で、よい意味で舞台との境界線がなくフラットなのが魅力だなぁ

現在上演中の『鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん)』にも期待!

現在上演中のオペレッタ・ジャパネスク『鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん)』も、とても楽しそうな作品!花組で日本物ってすごく久しぶりだし、元禄バロックロックよりも和テイストが強くて新鮮です。

このところナイーブな感じの作品が続いていた花組なので、こういうパーーーーっと明るい感じの作品が巡ってきてこっちまで嬉しくなる。れいまどコンビは、きっとコメディ大好きなんじゃないかなぁと、トーク番組や歌劇、GRAPHなんかの様子から感じます。オフトークでも、何だか呼吸やテンションがとても近い感じがして、きっとお互いに多くを語らなくても分かり合えるんだろうなぁと思いました。

娘役トップスターとして円熟期を迎えた星風まどかさん。100期生ということで、もう少しで娘役10年。宙の姫から花の姫へと大きく変化をしながら、力強く歩むまどかちゃんにこれからも注目したいと思います。

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宝塚ファン歴20数年、福岡在住、このブログを運営しているnaomiです。

このブログは、アメブロで2011年に開設した「TAKARA座」を前身として、大好きな宝塚のこと、これまで観劇した作品について語っています。

筆者の詳しい自己紹介はこちら→https://takaraza.com/profile

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