宝塚歌劇における、改革の取り組みについて進捗が報告されましたね。

2024年10月8日、本日更新されたのは、下記ページに添付されたPDFです。
宝塚歌劇団で信じられないような出来事が起こり、葛藤がありながらも宝塚歌劇を観続けることを選んだ。
大好きな礼真琴さん舞空瞳さんが大好きだという気持ちも変わりませんでした。
でも、それと同時に「宝塚歌劇の真の再生」を厳しく見守るという気持ちも芽生えました。
ただただ、宝塚を楽しみ夢を見るだけのファンで居たいけれど…
大切な場所が変わっていこうとしている今、改革の進捗には目を向けていこうと思っています。
詳細は、PDFを読めばわかるため割愛しますが、私が特に注目したのは下記の6点です。
1週間あたりの公演数を減らす【2024年1月より実施済】
1週間あたりの公演数を10回から9回に変更【2024年1月より実施済】 昨今の振付や音楽等の高度化に伴う出演者やスタッフの負担を軽減しています。
1週間あたりの公演数を1回減らすことが大きく負担軽減になるのかは、若干不透明ですが、私が注目したのはその後の一文です。
「昨今の作品の高度化に伴う負担軽減」これは、やっぱり宝塚歌劇団も演出家の先生も自覚されていたのでしょう。
以前もTAKARA座に書かせてもらったのですが、星組公演「RRR」この作品は、本気で「高度な技術」の結晶だと感じました。
あの作品が1本物ではなく、さらにショーもあったこと。
その負担たるや凄まじかったと思います。
私は、どちらの作品も今でも忘れられないくらい大好きなので、この2作品が生まれたことは感謝しかないのですが、それとれとは別ですよね…。
あれほど高度な作品をあの日数でこなしていくことは、並大抵の体力、気力、集中力では叶わないでしょう…。
きっとあの時の星組作品以外にも、これまで各組で演者・スタッフ共に限界突破された瞬間が何度もあったのでしょう。
これを見て、昨今の「オリジナル作品への回帰」も少し関係しているのかなぁと感じました。海外ミュージカル、大作1本物など、派手で話題性のある作品がこのところ影を潜めていますね。
それは予算的なことや版権的なこともあるかと思いますが…
「当て書き」ができる、お衣装や音楽、舞台装置なども自由度の高い宝塚歌劇オリジナル作品は、比較的様々な意味で柔軟性があり、演者・スタッフの負担も多少は軽減するのかもしれません。

活動時間管理の強化【2024年4月より実施済】
劇団施設への入退館時間の管理を強化すべく、宝塚大劇場楽屋口にセキュリティゲートを設置し、入退館時間を記録するとともに、入館時間を遅らせ、退館時間を早めることで在館可能時間を短縮しました。 変更後の在館可能時間を遵守しながら稽古・制作を進行しております
ようやく、一般企業に近い「入退館記録」が残るシステムが導入されたのですね。
お稽古を夜中まで…みたいな話は以前から聞かれていましたが、心身の健康面から鑑みると、在館可能時間を意識的に短縮することは、長い目でみて大切なことだと感じました。
匿名で投稿できる意見箱の設置【2023年12月より実施済】
劇団施設内に2か所および専用WEBフォームを設置し、要望事項に対して劇団員の代表や関係先と 協議の上、順次改善を実施しています。 設置以降、多数の意見が寄せられており、それぞれの意見に対して真摯に協議・対応を重ねております。これまで四度にわたって、劇団員の代表から劇団員宛に進捗を書面にて報告しておりますが、引き続き各意見に真摯に向き合い、関係各所と協議の上、順次改善に努めてまいります。
これ、少し意外でしたが、良かったと思いました。匿名で投稿できる意見箱。設置はされたものの、稼働しないイメージがあったので、多数意見が寄せられているという現状には、少しほっとしました…。
自身の職場をよくするために、第一歩となるのが、あらゆる立場の「現場の意見」ですね。
その全てがこれまでの就労環境に対しての不満や不安だったとしたら、こんなにも溜まりに溜まった気持ちがあったのか…と複雑な気持ちにもなります。
進捗の報告はもちろんですが、ここに書かれているように、やはり改善が速やかに行われるといいなと思います。

出演者・スタッフの役割分担の見直し
・稽古用小道具の準備や段取りに関する役割の見直し【2024年1月以降、順次実施中】
出演者による稽古用小道具の製作を廃止し、スタッフが購入して保管のうえ、各組で共有しています。 さらなる効率化を図るべく、稽古用小道具の保管場所や管理方法の適切化について検討を進めてお ります。
これ、本気でよかったと思いました。というか、稽古用の小道具、各自が作っていたの?娘役さんの髪飾りやアクセサリーだけじゃなくて?と今更驚き…。
というか、稽古用の小道具に、本番用の娘役さんのアクセサリーやお団子キャップは入らないよね?これは、継続で手作り?と疑問が残りますが…
思い入れのある道具をどうしても作りたい、得意!という方はよいと思うのですが、寝る時間を削ってまで…というのは、やはりいつか無理がきそう。その分、少しでもリラックスできる時間が持てますように…。
IT ツールの導入【2024年中に実施予定】
IT ツールを導入し、一部の各種連絡や情報共有を効率的に行えるよう変更しました。 さらなる情報・データ共有の円滑化を図るべく、コミュニケーションツールやデータ共有ソフトを 搭載したタブレット端末の配布について、検討・準備を進めております。
これは、絶対必要だと思ってました。今は、義務教育の学校でもITツールを配布する時代。
ペーパーレス、データの一元化、瞬時に必要な情報を共有できることは、きっと無駄な時間を省き、その分芸事に向き合う時間をもたらしてくれるでしょう。
ただ、使いづらいITツールじゃイライラするだけなので、サクサク動き、効率的でわかりやすいソフト導入が必須ですね。
chatwork、slack、LINEワークスなど…ほかにもコミュニケーションツールは多数。年代問わず使いやすいツールが導入されるといいですね。
稽古場運営業務の見直しに向けた検討【2024年7月より実施中】
一般演劇の制作に携わっている外部スタッフに参画いただき、稽古場運営業務における現状の課題と解決策について助言をいただきました。いただいた助言をもとに稽古場運営の在り方や役割分担について検討を進めています。 引き続き、業務の円滑化・効率化を図り、出演者やスタッフの負担を軽減します。
この改革案は、色んな意味でよく実現したな、と感じました。
今の宝塚歌劇団に、外部スタッフが助言をくださった。そして、劇団側もそれを真摯に受け取られているような印象を受けました。
宝塚歌劇団が閉鎖的な世界であることを自覚し、第一歩を踏み出した感がありますね。
真の再生に向かって…
ここには挙げませんでしたが、人材育成の部分にも進捗が掲載されていました。今でも暗い影を落とすハラスメント問題、長く続いてきた体質を一気に変えることは難しいかもしれません。
ですが、今行われている研修や意識改革が、いつか宝塚歌劇団のなかで正しく芽吹きますように…。
最後に、この部分に期待したいと思います。
2024年4月より一部手当の増額やベースアップ等を実施しておりますが、劇団員が安心してより良い舞台づくりに専念できるよう、さらなる労働環境の改善に努めてまいります。
やりがいや「夢」を搾取することなく、順当な報酬と待遇は、たとえ芸事の世界でも大切なことだなと、改めてこの文章を読み感じます。
裏を返すと、これまでは「順当ではなかった」ということでしょう。
タカラジェンヌの皆さんや舞台に関わるスタッフの方々にとって、この場所で働き続けたい、この場所で力を発揮したいと思える場所になることを、一ファンとして願っています。
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