TAKARA座は、舞台・宝塚を愛する方々へ、宝塚へのポジティブな愛を綴るブログとして2011年に立ち上げました。
なので、ネガティブなことは書かないと決めてきたし、書きたくない。
後から何度読み返しても「幸せな気持ちになれる」文章を残すことをモットーとしています。
ですが、昨年からの一連の出来事で、宝塚歌劇を見つめ続けていくなかでどうしても「ネガティブな側面」から目を背けられない状況になりました。
本日の新聞記事で、西宮労基署が「宝塚歌劇団に是正勧告」したことが報じられましたね。過去には、演出助手の休日割増賃金の不払いや労務管理の不備も報じられています。
次から次へと、宝塚ファンとして知るには辛くなる経営実態が明るみになり、それが宝塚歌劇団に所属するスタッフ、そして生徒にも大きく影響が及んでいることも分かりました。
さまざまな問題点、課題がある中でも、改めて私が今回の報道で注目したのが生徒(劇団員)の「フリーランス契約」について。
新聞報道によると、宝塚歌劇団において、劇団員の雇用形態は下記となっているそうです。
これが、昨年からの報道で明るみになったわけです。
宝塚歌劇の夢の世界が、一気に現実味を増した瞬間でした。
これまで、「新人公演を卒業したら、独り立ちしなくてはならない」と、タカラジェンヌの方々もふんわりとした表現をされていました。
なので、「そうなのかな」と思ってはいましたが、やはりこうして報道としてはっきりと雇用形態を示されたことで、一気に現実味を増しました。
劇団員(生徒さんたち)のフリーランス契約は、わかる。
そういったタレント契約のような形で、1人1人が自分の魅力・技量・裁量で仕事をしていくことはあり得るでしょう。
ですが、問題はここから。
宝塚歌劇団が異質なのは、フリーランスではありますが、契約上、レッスンなどへの参加を義務づけられていることです。
出演する作品も期間も、配役も、自由度がない。
また、宝塚歌劇団の承諾を得ずに、外部作品に出演することも禁じられている現実があること。
これ、改めて言うまでもないですが、全くフリーランス契約じゃない。
求めることと雇用形態がちぐはぐになっているために、様々な歪みが生まれているのでは…と感じます。
想像の域ではありますが、怪我や体調不良での短期・長期休演の可能性があること、宝塚歌劇団の生徒だけで公演を続けていること(外部からの客演は当然ながらない)、宝塚歌劇団としてのブランディングを厳守すること、他にも諸々フリーランスでなければならない理由があるのでしょう。
ただ、こういう実態で経営を続けてきた事も、さまざまな歪が生まれている所以なのかと感じてしまいました。
あの輝かしい舞台を続けていくために、研鑽を重ね自身を、芸名を磨き、舞台人として大きく飛躍していくタカラジェンヌたち。
ですが、入団6年目以降は、芸事以外にもさまざまなことを学びながら自立していかれるのですね。
ある男役さんが以前、自粛中の期間に簿記の資格を取得したと話されていました。その時、資格取得のテーマが芸事の方面でなかった意外性とともに、個性的で素敵だなと思ったことを思い出します。
でも、今考えてみれば、確定申告にも通づる知識。
個人事業主は確定申告を自身で行う(税理士さんに依頼する方法もありますが)必要があるので、想像ではありますが、きちんと学んで自身の働き方に向き合っていらっしゃったのかと思うと、お人柄を感じます。
夢の世界とは言え、1人1人の「社会人」が舞台に立っている。
そんな想いが、改めて鮮明になった「是正勧告」の報道でした。
だからこそ、宝塚歌劇団の記者会見での対応に違和感を覚えたのだし、今もそういう気持ちが拭い去れないのだと思います。
「宝塚歌劇団に是正勧告」
このことが、宝塚歌劇団で夢を追いかけ、真摯に芸事に向き合う全ての人たちにとって、良い労働環境を得るためのきっかけになることを願います。
宝塚OGからも、「後輩たちが、安心して舞台に集中できる環境を劇団には整えてほしい」といった声が各方面から上がっていますね。
昨年からの事柄に対して、意見は真っ二つ、いや多様な考え方があったとしても…
宝塚歌劇に関わる全ての人たちが、安心して舞台に・自身の職務に集中できる環境を劇団には整えてほしい。
これだけは宝塚歌劇を愛するすべての人たちの、共通する願いだと信じています。
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